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シークレットガーデン〜小さな箱庭〜
???第二章 汚された草競馬大会-5-?
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て転倒させ、乗っていた選手は馬の下敷きになったせいで骨を折りレースが出来ない状況へとさせている。

―それでもなおレースは終わらない。

「許せないっ!」

こんな悪行。たとえお天道様が許したとしてもこのルシアとフレアは許しませんっと言わんばかりにルシアとフレアの爆走。まき散らされたマキビシを華麗によけ、灰色の馬の元へと追いついた。

「そこの貴方! なんでこんな酷い事するんですかっ」
「ハァ? しょうぶぅ〜? ぎひひひ」

ルシアの質問に男は薄気味悪い笑みを浮かべる。灰色の馬までも薄気味悪く笑っているように見えるから最悪だ。

「な、なにがおかしいんです…?」
「こんなのはなぁ、最初からおれっちが勝つって決まってんだよっ! オラッオラッ!!」
「うわっ!」
「ヒヒンッ!」

無理矢理近づいてきた灰色の馬はフレアの足を蹴り飛ばしてきた。バランスを崩し転倒しそうになるがフレアは耐える。ルシアも落ちそうになるが必死に体を建て直してフレアの手助けをする。
卑怯な手ばかりを使って来る男。こんな奴なんかに負けてはいけない。他の選手たちのためにも、そしてシルとシルビアのため、あと優勝して帰ると約束した宿屋のおばさん、シレーナとランファのために負けるわけには

「いかなんだぁぁぁぁ!!!」

うおおおとルシアとフレアは気持ちを一つにしラストスパートだ。隣の馬など気にせず前に見えるゴールテープだけを見つめる。どんなことをしてもあれを切った者が勝者なのだ。

「おぉーーーこれは接戦だぁーーー!! さああ、ゴールテープを最初に切るのはどっちだぁぁぁぁああ!!」
「ちっ。しつけぇガキだなぁ…。ほらよっ」
「うわっ!」
「ヒヒーンッ!」

ゴールまじか男は最後の悪あがきとしてフレアの足元にあのマキビシをを巻いた。驚き一瞬転倒しそうにはなったが、慌てず冷静に物事を判断しその場ではいったん止まり迂回してかわしてから、男と灰色の馬を追いかける。

「なっなにっ!?」

負けるわけにはいかない。こんな酷いことばかりする奴にだけは! 正義心がルシアとフレアを突き動かす。持てる力を出し切り全力疾走でレース場を駆け走る。
もう卑怯な手は出し尽くしたのか、男と灰色の馬はルシアとフレアから逃げ勝とうと全力疾走で駆け走る。

――そしてバンッバンッ。

「ゴォォォォルゥゥゥゥ!!!」

ゴールした。両者一歩も引かず譲らず、ほぼ同時のゴールだ。判定は写真判定に用いることとなった。審査員たちがごにょごにょと小声で話しているのが見える。
横に男は「きひひ」とまるで自分の勝利は決まっているんだよ、とでも言いたげなニヤニヤと気持ちの悪い笑みをルシアに向ける。

――結果が出たようです! 司会者の言葉に皆一応に耳を傾ける。

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