暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットガーデン〜小さな箱庭〜
???第二章 汚された草競馬大会-5-?
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よりレースの始まりでございます!!」

ルシアを含め出場選手は皆、スターティングゲートにスタンバイ状態。
緊張するな…変な汗が流れる。こんな大きな大会に出るのは言わずもがな。初めての事だ。ちらりと横にいるシルとシルビアに視線を向けてみる。

「………」

シルビアは無言で真っ直ぐ前だけを見つめ、シルは瞼を閉じて雑音を消すことで精神を落ち着かせようとしているようだ。その姿を見てルシアも真似してみることにしてみた。
すぅーはぁーと大きくそして深く息を吐いて吸って深呼吸。すると不思議なことに先ほどまであった緊張感が何処かへ吹っ飛んで行ったのだ。

「よしっこれならいける!」

テン

テン

テン

「ゴー!!」

合図の白い旗が振り下ろされゲートが一気に開いた瞬間、選手たちは我先にと駆けだしてゆく。その姿に圧倒され少し出遅れたルシアとフレア。

「やっぱりみんな早い。シルはどこに…あ!」

自分達よりも先に飛び出して行った他の選手たちを見ていると、見つけた。茶色や黒色の馬ばかりの中に一匹だけ目立つ気品のある白馬。シルビアとシルのコンビだ。先頭を走っている。

「さすが僕達の先生だね。 僕らも負けてられないよフレア!」

ルシアの言葉に「ヒヒーン!」と鳴いて答えるフレア。
スタートダッシュこそ出遅れたルシアとフレアコンビであったが、その後は順調に他の選手を追い抜いて行き中盤くらいの順位まで辿り着くことが出来た。シル&シルビアのコンビはあいかわらず先頭を走っている。

「きひひ」
「…?」

ルシアとほぼ並んで走っていた灰色の馬に乗っている選手が不敵な笑みを浮かべルシアを追い抜いて行ったのだ。何故だろう……とても嫌な予感がする。なにか良くないことが起きるような、そんな気がするのは何故だろう。
灰色の馬は次々に追い抜かしてゆく、そして遂にはシルとシルビアのコンビと接戦のところまで追い上げて行き、灰色の馬がシルビアを追い抜こうしたその時だった。

「なにを……きゃ!?」
「ヒヒーン……」

灰色の馬に乗った選手がシルビアの足元に何かをばらまいたようだ。黒い塊のような何かに足を取られたシルビアは転倒してしまい起き上がれない。乗っていたシルも当然一緒に転倒してしまい、シルビアの下敷きとなってレースどころの状況ではなくなってしまった。
だがそれでもレースは終わらない。続けられる。シルビアが転倒した、させられた芝をようく見てみるとそこには肉眼では判断するのが難しいほど小さいマキビシのような物がいくつも散らばっていたのだ。

「まさかっあいつ、わざとマキビシをまいたのっ!?」

ルシアのその読みは正しかった。灰色の馬の選手は同様の手を使い、自分よりも前を行こうとする馬が現れるとマキビシを撒い
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