トンネルでの戦い
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たのである。霊夢は考える暇さえ与えられなかったが、その仲間の提案を理解するだけの知性は残されていた。
「…今からトンネルに入るのですが、入ったら能力でトンネルの天井を攻撃して、崩落させてください!そうすれば後を追えなくなります!」
「トンネル入り口の天井…了解よ!」
巫女は入ろうとするトンネルの天井に向かってカードを構える。その動作でこの後の出来事を察した神子はバイクのスピードをフルに上げて、彼女に追い付こうとする。エンジンに唸り声を上げさせては、その燦爛たる剣を片手に猛スピードでトンネルに突っ込む。
「霊符!夢想封印っ!」
そう宣言した瞬間、バイクは交差点からトンネルに突入し、夢想封印によって放たれた光弾が炸裂した天井の壁が崩れていく。天井を築き上げていたコンクリートをも破壊する非現実的な能力の強さは、こうした指標によって指し示される。音を立てて崩れる瓦礫に、神子は辛うじて避けてトンネルに入った。フルスロットルでそのまま突入し、天井が完全に崩落する前にトンネルに入ることが出来たのである。
だが、後方の警察車両たちは夢中で追いかけているうちにそのまま入り口が崩れて出来た瓦礫の海に衝突し、玉突き事故が連続発生、トンネル前で噴煙があがった。
薄暗いトンネルで、対向車が全く来ない中、神子は霊夢たちと同じ速度にあげて隣につく。
「トンネルで撒いたことは素直にお褒めします。ですが、あなたたちはここで私よって倒される!覚悟しなさい!」
神子は右手で運転しながら、左手で剣を構えた。武器を構える神子に対し、霊夢は半ば楽しんだ心地さえ浮かべて札を持った。吹き抜ける風が服を靡かせ、薄暗い空間の中で只管に感情を確立させていたのだ。
「面白い冗談ね!…神子、その言葉をそのままお返しするわ!」
霊夢は仲間に運転を任せる旨を言うと、いきなり神子はバイクで接近し、霊夢に絢爛たる刀身で斬りかかる。
彼女は持っていたお祓い棒で剣の一撃を華麗に受け止めると、神子はバイクを霊夢たちから一旦遠ざけた。一時的に安定を保つためだろう。
「悪いけど、さっさと終わらせるわよ!──霊符・夢想…」
「そうはさせません!」
彼女の宣言途中で神子はバイクで一気にタックルし、霊夢のバイクを運転していた仲間は不安定状態に陥る。衝動で仲間は落ちそうになり、ハンドルを手から離してしまったのだ。咄嗟に気づいた霊夢は振り返り、その僅か一瞬を捉えては武器を持たない反対の手で何とかハンドルを抑えた。
「仕方ないわ!」
霊夢がすぐに運転し、仲間は何とか後方に避難する。神子はさらにタックルを仕掛けたが、彼女は何とか持ちこたえた。そもそもバイクの運転など慣れていない彼女にとって、この手の戦いは死活問題である。何とか慣れようとする彼女の意思性が
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