第三十六話
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二十七
平均被弾率 小破
戦闘MVP 四回
総合MVP 一回』
「はい。着任して五回の成績では決して無い訳です。下手したら木曾さんレベルです。しかし、どうやら木曾さんを見すぎてかなり感覚が麻痺してるみたいですねぇ…………これからが怖いですねぇ…………あおばらあおばら。
え?くわばらくわばらじゃあって?知りませんよぉ!そんなこと!」
青葉は無邪気に笑った。
「というわけで!メタ担当の青葉より、二号さんがいかに謙遜してるかの説明でしたー!カメラお返ししまーす!」
―鎮守府 廊下―
なんだ今の時が止まった感覚は。気のせいか?
…………どうやら気のせいらしい。
「いやー、今回、お偉いさんが見に来るんだよ。戦績は伝えてるんだけど、実際に見たいらしくて。」
成る程、確かに世界初の男の艦娘だ。実際に見ないと分からない事もあるだろう。
でも…………。
「それって、木曾やら長門さんやらを入れちゃったら俺が目立たなくなるんじゃあ無いか?そうなったら意味なくね?」
「…………………………………………。」
提督はそれを聞いて、笑顔のまま固まった。こいつまじか。
「じゃ、頑張ってね。僕はこれから大淀の寝顔を撮りに行くから。」
「おいこら待て!これで俺が期待値以下だったらどうなるか分かんねぇだろ!そうなったら寝込んでる頭に藁人形打ち付けるからな!」
俺のその声は、たまたま近くの部屋を使っていた天龍の、「うるせぇクソが!キャンキャンキャンキャン喚くんじゃねぇ!」と言う声に掻き消された。
―練習海域―
「いやぁ、災難だったわね。」
俺に優しく声を掛けてくれたのは、すぐ前を進んでいた赤城さんだった。周りへの警戒は怠らずに、俺の方を見ずにだけども。
「いやぁ、あの人の奇行にはいい加減慣れて来ましたよ。今回のはなかなかキツかったですけど。」
だから俺も、周りへの警戒を怠らずに話す。今は戦場に立っているわけだ。真面目な長門さんに聴かれたら怒られそうだ。
「でも、初演習がトラック相手とは運が良いね。他の鎮守府だったら下手したら沈めちゃうかも知れないしね。」
是非とも経験したくないな。つーか演習で轟沈とか笑えない。
いや、普段の戦闘での轟沈の方がよっぽど笑えない。
死んじまうからな。
……………………ん?
「まって、時雨。今なんて言った?」
なにか今、時雨の発言と俺の思考とが噛み合わなかった気がした。
「初演習がトラック相手とは運が良いね。」
「もうちょい後。」
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