毒入り堪忍袋
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ドヘオは悲鳴を上げた。
それからドヘオはこっちに気づいて、
「ぐおおお貴様らぁ!」
血を吐きながら叫んだ。
「ふざけるななんだこのセンスの無い毒風呂はぁ!ちゃんと課金して超々神レアの毒を使え!俺は毒風呂の中で死にたいぐらい毒風呂には煩いんだぞぉ!分かるかぁ!?ていうか触覚があああ、俺の触覚が毒で汚されるううう!」
言い忘れていたがドヘオの頭には触覚がある。
「はっ、まだ言ってんのか。分かるかよてめぇの毒風呂センスなんて」
「安心しろよ。ちゃあんと触覚に影響の無い毒を選んでもらったからよ。きれいな触覚じゃないと貰いがいが無いしな」
女も男もドへオを嘲笑した。
「ぐううう……」
呻くドヘオに私はゆっくり近づいた。彼も私に気づく。
「き、貴様は雑魚リモコンコック」
「汚い言葉を使うな糞野郎。警察呼ぶぞ」
私はドヘオの顔を蹴り飛ばした。虚しいけどつまらなくはない。
ドヘオの頭が後頭部から毒風呂に突っ込む。
「ごふぉ、ぇげほ、おげぼおぼぼ」
もうドへオは虫の息だ。触覚も元気無さそう。
「さようなら、あんたとチャットしてる時間、凄く楽しかったよ……」
「ぉぉぉぉぉ」
変な斑点まみれの皮膚が紫色に染まり、ドヘオは呻きすらしなくなった。死んだ。
「……はは、やったよ、」
私が深く安堵の息をつくと、不意に何かがせり上がってきた。
「ゴボエェ!」
私が思わず吐き出したそれは血だった。手が真っ赤に染まる。
「悪いな、お前の防護服用意出来なかった」
「飛び入り参加だったからねー」
そうか、私もここで死ぬんだ。
やや霞んできた視界を見渡すと、ドヘオがプカーっと浮いていた。私の方が生きるセンスはあるんじゃないかなんて粋がっていたら、瞼がシャッターのように閉まった。
「というわけさ、めでたしめでたし」
私、ニワケサはなんか生きてた。ドへオはちゃんと死んでる。
「へぇ、お父さんは悪い人だったんだね」
「うるせぇ黙れ」
私は我が子を殴りつけた。すると泣き出したので無視して酒のリモコン割りをあおった。
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