暁 〜小説投稿サイト〜
担々麺集
毒入り堪忍袋
[2/2]

[9] 最初 [1]後書き
ドヘオは悲鳴を上げた。
 それからドヘオはこっちに気づいて、
「ぐおおお貴様らぁ!」
 血を吐きながら叫んだ。
「ふざけるななんだこのセンスの無い毒風呂はぁ!ちゃんと課金して超々神レアの毒を使え!俺は毒風呂の中で死にたいぐらい毒風呂には煩いんだぞぉ!分かるかぁ!?ていうか触覚があああ、俺の触覚が毒で汚されるううう!」
 言い忘れていたがドヘオの頭には触覚がある。
「はっ、まだ言ってんのか。分かるかよてめぇの毒風呂センスなんて」
「安心しろよ。ちゃあんと触覚に影響の無い毒を選んでもらったからよ。きれいな触覚じゃないと貰いがいが無いしな」
 女も男もドへオを嘲笑した。
「ぐううう……」
 呻くドヘオに私はゆっくり近づいた。彼も私に気づく。
「き、貴様は雑魚リモコンコック」
「汚い言葉を使うな糞野郎。警察呼ぶぞ」
 私はドヘオの顔を蹴り飛ばした。虚しいけどつまらなくはない。
 ドヘオの頭が後頭部から毒風呂に突っ込む。
「ごふぉ、ぇげほ、おげぼおぼぼ」
 もうドへオは虫の息だ。触覚も元気無さそう。
「さようなら、あんたとチャットしてる時間、凄く楽しかったよ……」
「ぉぉぉぉぉ」
 変な斑点まみれの皮膚が紫色に染まり、ドヘオは呻きすらしなくなった。死んだ。
「……はは、やったよ、」
 私が深く安堵の息をつくと、不意に何かがせり上がってきた。
「ゴボエェ!」
 私が思わず吐き出したそれは血だった。手が真っ赤に染まる。
「悪いな、お前の防護服用意出来なかった」
「飛び入り参加だったからねー」
 そうか、私もここで死ぬんだ。
 やや霞んできた視界を見渡すと、ドヘオがプカーっと浮いていた。私の方が生きるセンスはあるんじゃないかなんて粋がっていたら、瞼がシャッターのように閉まった。

「というわけさ、めでたしめでたし」
 私、ニワケサはなんか生きてた。ドへオはちゃんと死んでる。
「へぇ、お父さんは悪い人だったんだね」
「うるせぇ黙れ」
 私は我が子を殴りつけた。すると泣き出したので無視して酒のリモコン割りをあおった。
[9] 最初 [1]後書き


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ