第百二十話 生還
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イムとヘルクスハイマーとシャフハウゼンとリヒテンラーデとグリューネワルトとシェーンヴェルトが共謀し決闘を起こし誘い込んだのですよ、こういうシナリオが出来ている訳ですよ」
「お前は妹を手にかけるか」
「そうです、父上、更に他の兄弟も皆私が手に掛けましたよ、何と言っても父上の子達を17人も殺したのですからな、いや18人ですな。そうしなければ私の地位が危ないですからな」
「ルードヴィヒ、おぬしは鬼か」
「アハハハ、鬼で結構!テレーゼのおかげでリッテンハイムは処刑、残る有力な対抗者はブラウンシュヴァイクだけになりますからな、兄に尽くしてくれる良い妹ですよ、アーハハハハ」
「ルードヴィヒ、おぬしは何を考えるか。この様な事しても誰も付いてはこんぞ」
「ハハハ、父上が死にテレーゼが死にグリューネワルトが死にリヒテンラーデが死ねば全てが進むのですよ」
「何をする気だ」
皇帝の言葉に皇太子が答える。
「簡単ですよ、君側の奸リヒテンラーデ侯が寵姫であるグリューネワルト伯爵夫人と情を通じて出来た子を皇位に就けようと策謀を行い、其れを知った父上がリヒテンラーデ侯を問い詰めた所、逆上し父上を弑逆しようとしたところへ、我々がたどり着くが、後一歩で間に合わず残念ながら父上は死亡、私が弑逆犯リヒテンラーデ侯を倒すのですよ」
「その様な事をしてもグリューネワルトの子がリヒテンラーデの子で無ければ理由が付かぬ」
「心配は要りません、あの女の侍医《グレーザー》は私の息が掛かっておりますからな、幾らでも偽の診断書をだせますよ」
「ルードヴィヒ、お前は・・・・」
「クラーゼン元帥、余に付けば、公爵の位と帝国軍全てを任せても良いぞ」
皇太子の言葉にもクラーゼン元帥は一歩も引かない。
「フ、お断り致します。臣は銀河帝国皇帝フリードリヒ4世陛下より元帥杖を頂いた身、その大恩有る陛下を裏切る事など出来るか!」
帝国暦483年8月5日 午前10時01分
■オーディン リッテンハイム侯爵荘園競馬場 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
黒マントが現れたとき嫌な予感がしましたが、まさかこんな事に成るとは、10を待たずに振り返った黒マントが銃口を私にむけて来たのです。鈍く光る銃口の輝きが目に写り、その直後に炎が迸ったのです。
まさか此処で死を迎えるのでしょうか。ラインハルトによって帝国は簒奪されるのでしょうか?父上や母上は無事にいられるのでしょうか。そしてみんなや、帝国臣民達はラインハルトの為に艱難辛苦を加えられるのでしょうか、一瞬に此だけの事が頭に浮かびます。
しかし、目の前に巨大で逞しくそれで居て暖かい感じのする背中が視線を遮ったのです。
帝国暦483年8月5日 午前10時〜
■オーディン リ
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