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翠碧色の虹
第十三幕:虹はいつまで見えている?
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期(小学3年くらい)から枚数減っているのが分かる。凪咲さんはその事をずっと気にしていたようで、俺の撮影した写真に存在する「凪咲さんにとって、久々に見た七夏ちゃんの笑顔の写真」を、じっと見入っていた。七夏ちゃんが何故俺に対して写真撮影を拒まなかったのか、その理由は今は分からない・・・いずれ七夏ちゃん自身から話してくれるまで、その事はそっとしておくべきだろうと思った。

滞在期間の延長と、風水でのお手伝いをする事を七夏ちゃんに伝える為、俺は七夏ちゃんの部屋へ向かう。

時崎「七夏ちゃん!」
七夏「はーい☆」

七夏ちゃんが部屋から顔を見せる。

時崎「七夏ちゃん。今、いいかな?」
七夏「はい☆ あ、どうぞです♪」
時崎「ありがとう」
七夏「えっと・・・」
時崎「あ、ごめん。今回の旅行の滞在期間の事なんだけど・・・」
七夏「あ・・・」

七夏ちゃんの顔が少し曇る・・・これは一瞬嬉しく思ってしまったが、人の悲しみを嬉しく思ってはならない。ましてや、大切な存在であれば、尚の事である。

時崎「七夏ちゃん?」
七夏「えっと、柚樹さん・・・バス停で、一週間くらいって話してました」
時崎「確かに、そう話してたね」
七夏「今日・・・お帰りになるのですか?」

民宿育ちの七夏ちゃんにとって、お客様との突然のお別れは、そう珍しい事ではないのだろう・・・突然帰ってしまう心積もりが出来ていての『今日』なのだと思った。

時崎「いや、もう少し、ここでお世話になるよ」
七夏「え!?」

俺がそう言うと、七夏ちゃんは不思議そうな表情を浮かべ、その後から嬉しさが追いかけてくるのが伝わってきた。これは一瞬だけではなく、しっかりと嬉しく思う。俺は、凪咲さんと話した事を七夏ちゃんに伝え、今回の旅行の目的に七夏ちゃんの笑顔を撮影する事を正式に依頼された事も話した。

七夏「ほ、ほんとですか?」
時崎「ああ、これからもよろしくお願いします!」
七夏「わぁ☆ こちらこそです!」
時崎「あ、写真の件もよろしく!」
七夏「くすっ☆ はい!」
時崎「これからは、雑用も言ってくれていいから!」
七夏「はい! ・・・あ、えっと、すみません!」
時崎「謝る事はないよ」
七夏「ありがとうです! 頼りにしてますね☆」
時崎「ああ。それじゃ、用があったら、いつでも声をかけてくれていいから」
七夏「はい☆」
時崎「あ、用が無くても声をかけてくれていいから!」
七夏「くすっ☆ はい♪」

七夏ちゃんとの距離が、また少し近くなったような気がして嬉しい。俺は自分の部屋に戻り、考える。これからも、七夏ちゃんの力になり、喜んでくれるような事を考え、写真に残せるようにしたい。滞在期間の延長と言っても俺自身にも期限があるが、いつまで民宿風水でお世話に
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