第十三幕:虹はいつまで見えている?
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虹はいつまで見えているのか・・・。そんな事を考えるようになってきた。今までは、虹の撮影さえ出来れば、それ以上追いかける事はなく、その後、虹が消えてしまっても特に何も思う事は無かった。つまり、そこで終わっていたという事になる。しかし、今回は違う。不思議な「ふたつの虹」は、写真撮影が出来たとしても、いつまでも消えないでほしいと思う。
今回の虹の撮影旅行/目的について改めて考える。この街への滞在期間は、一週間程度の予定だったので、そろそろ滞在の期限が迫っている。滞在期間を延長する事も可能だが、旅費/予算の事を考えると、延長できてもあと2、3日くらいだろうか・・・。正直な所、俺はもっと民宿風水・・・いや、七夏ちゃんと一緒に居たいと思うようになっていた。七夏ちゃんの不思議な「ふたつの虹」に俺の方から背を向けたくないのだが・・・。俺は、凪咲さんに滞在期間の事を告げた。
凪咲「・・・そうなの・・・あと3日・・・柚樹君が居なくなると寂しくなるわね・・・」
時崎「すみません。それまでに、七夏ちゃんの写真はお渡ししますから」
凪咲「ありがとうございます」
時崎「俺も本当は、もっと民主風水で過ごしたいのですけど・・・」
凪咲「でも、柚樹君にもご予定があるでしょうから・・・」
時崎「時間ならまだあるのですけど・・・その、旅費予算的に・・・(苦笑)」
凪咲「まあ、そうなの!? 時間はまだあるのかしら?」
時崎「はい・・・時間だけですけど・・・」
凪咲「では、私からひとつ、いいかしら?」
時崎「え!? 何でしょうか?」
凪咲さんは、ある条件で、宿泊費用を免除してくれると提案してくれた。その条件とは、これからも七夏ちゃんの笑顔を撮影する事、民宿風水での力仕事を手伝う事・・・たったそれだけだ。こんな条件でいいのかと再確認してみたが、それで十分との事。俺は凪咲さんに感謝し、お礼を言う。
時崎「え!? たったそれだけでいいのですか?」
凪咲「はい。柚樹君が来てから、七夏も楽しそうにしていますから・・・。それに、七夏の楽しそうな笑顔をアルバムに残せるのは、柚樹君のおがけです。ですから、柚樹君さえ良ければ・・・私からお願いしてもいいかしら?」
時崎「あ、ありがとうございます!」
凪咲「これからも、七夏の事、よろしくお願いいたします!!!」
時崎「はい!!! こちらこそ!!!」
今までの事と、これからの事をまとめてみる。俺の撮影した笑顔の七夏ちゃん・・・その写真を見た凪咲さんから、改まって写真撮影のお願いをされた。その理由を訊いてみると、ある時期から七夏ちゃんは写真撮影に対して消極的になり(拒む訳ではない)、レンズに視線を送らなくなったり、目を合わせなくなったり、目を閉じる事が多くなったらしい。過去の七夏ちゃんのアルバムを見せてもらうと、ある時
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