第二章
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「半分だからね」
「これまで食べてもなんだ」
「いいの?」
「そう。いつもとカロリーは半分だから」
だからいいというのです。
「これまで通り食べてもね。あとね」
「ミルクも?」
「それもなの」
家族はトラにミルクもあげています。猫用のミルクです。
ですがそのミルクもです。お母さんは替えたというのです。そのミルクは。
「ダイエット用のミルクにしたわよ」
「それどんなのなの?」
「どうしたミルクなの?」
「粉からお湯に溶かしたミルクでね。脂がないの」
歩と友則は知らないですがそれは脱脂粉乳といいます。お母さんはそれに替えたのです。
今度はそのミルクを飲むトラを見てです。お母さんは子供達に言いました。
「こうした粉ミルクって美味しくないから」
「だからなの?」
「トラが食べないかも知れないっていうの?」
「心配してたの。けれどね」
トラはミルクも飲んでいます。それもいつも通り。
そのトラを見てです。お母さんは安心している顔で言います。
「これなら安心よ。これからはね」
「このキャットフードと粉ミルクにするのね」
「そうなのね」
「そう。そうするわ」
トラがいつも通り勢いよく食べているのを見てお母さんは食べ物や飲み物のことは上手にいったと安心しました。ですがダイエットはこれだけではありませんでした。
お父さんは猫用のおもちゃ、先に鼠の形の飾りが付いたそれを買ってきてトラの前で振ります。それを見たトラはすぐにでした。
目を動かしてそしてです。その飾りに。
前足をやります。ですが飾りはさっとどけられます。それでもです。
ふりふりと動く飾りに目を輝かせて動きます。前足どころか身体全体を使って。
そうして動くトラを見てです。歩と友則は言いました。
「何かこんなに動くトラって」
「見たことなかったよね」
「うん、いつも寝ているだけだったから」
「それか悪戯するか御飯食べるか」
「それだけだったからね」
「こんなに動いたことなかったよね」
「猫はこうしたら動くんだよ」
目の前でものが動けばと。お父さんは子供達にお話します。
「だからこうして運動もさせて」
「ダイエットさせるんだ」
「スポーツなのね」
「食べることだけじゃ駄目だからな」
だからだというのです。
「こうして運動させないとな」
「あっ、じゃあ僕達もトラを運動させたら」
「トラは痩せるの?」
「勿論だ」
当然だとです。お父さんは子供達に答えます。
「そうなるぞ」
「そうなんだ。それじゃあね」
「私達もやってきるね」
子供達は遊び半分でお父さんに答えました。そうして。
猫じ
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