異変
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ていた。五臓六腑が震撼し、愕然として震えている。そんなパチュリーは、チルノの怯えた様子を荒唐無稽に見据えていた。また、さはんな彼女を一つの獲物としか思っていなかった。
パチュリーは今、万物をも狩る狩猟者そのものになり得ていたのである。
「…私たちは外界でビジネスを始めたの。それは「奴隷取引」。…面白いでしょ?それにあまり手間暇かからないのよ」
「あんたまさか、私たちにレミリアがつけている機械をつけて…奴隷にするつもり!?」
霊夢の推理にパチュリーは「だいせいか〜い!」と褒めたたえた。巫山戯た調子は、霊夢やチルノの感情を蠢かせる。
「あんたたちを奴隷にして商売道具にしないと、こっちも運営が大変なのよ。…それに、あんたたち幻想郷出身は結構高値で取り扱われるから、殆ど取り尽くしちゃったのよ」
彼女は当たり前のように言って欠伸をするが、2人は気が気ではなかった。空間的無限の中で空想有限性の総和を因果的に結ぶも、決して先験的仮象の慰めは訪れない。知覚される温存的な恐怖は今に包含される包装的統一、即ち事実的共属関係に情を総括させることに救いを求めたのだ。
だが彼女はそれを思惟しなければならなかった。故に根本的な総体的理神論に、パチュリーの恐怖を献上という名の逃走を行ったのである。信奉は信仰の論理的深淵から観た、一つの綱渡りである。彼女たちがそこを渡り、地の底に眠る情を回避するためには、このような狡猾的手段さえ用いる必要があった。この点を鑑みると、彼女たちは恐ろしさを理神論という名のウィッカーマンの檻に閉じ込めて燃やすドルイド信仰者である。
「取り尽くした、って…」
「だーかーらー、コイツと同じように背中にこれをつければ力を吸収して終わり、の簡単なビジネスだから殆ど取り尽くしちゃったの。どんな凄い力を持ってても、これをつけられれば忽ち自分の能力は消える、というよりも本部に力が送られるの。…これで普通の奴隷が出来上がり。ってことで、霊夢とチルノ…あんたたちも「奴隷」にさせてもらうわね!」
パチュリーは自身の能力を利用し、魔法の剣を作りだす。右手で握って持っていたレミリアは地面に落とされ、2人に助けを求めていた。降り積もった雪の冷たさが、身動き一つ取れないレミリアに襲いかかる。霊夢は未知への焦燥に駆られ、ただ吹き荒れる風のように感情を露呈させた。既に恐ろしさは燃えてしまったのである。
「こんな分かりやすい異変、他にあるのかしら…!?…とにかく、今はパチュリー…あんたをやっつけるわよ!」
「…みんなを返して!」
巫女は持っていたお祓い棒を、氷の妖精は自身の能力で氷の剣を作りだしては構える。雪がしんしんと降る中、3人は戦おうとしていた。
「…少し弱らせてからこれを付けさせてもらうわ!」
◆◆◆
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