ペルソナ3
1842話
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ともあれ、そんな感じで少し話をする。
俺が色々と訳ありなのは、転入してきた時の状況から理解しているのだろう。
最初に多少怪しんだものの、それ以上は特に何も言わずに世間話のような形で月光館学園についての話を聞いていく。
「鳥海先生、そろそろHRの時間ですよ」
そんな中、不意に近くに座っていた男の教師がそう声を掛けてくる。
これといった特徴のない、中年男といった様子。
ただ、目にはどこか小狡い色があるのを見れば、典型的な小悪党といった感じだろうか。
こういうのが、何かに巻き込まれても最終的に生き残ったりするんだよな。
「あ、江古田先生。ありがとうございます」
江古田というのか。
その江古田は、俺の方を見て笑みを浮かべて口を開く。
「アルマー、君も色々と大変だろうが、頑張って欲しい。勿論何か私で力になる事があれば、いつでも言ってきなさい。鳥海先生もいい先生だが、いかんせんまだ若い。何が問題があれば、私のように教師経験の長い者が頼りになる」
「……はぁ」
何だ? 妙に俺に対しておべっかを使ってくるな。取り入ろうとしている?
何故だ? という疑問を抱いたが、すぐに理解する。
俺はこの教室に入ってきた時、桐条と一緒だったのだ。
そして俺の転入は桐条グループの意向が強く反映されている。
であれば、俺と桐条の間に何らかの関係があると思ってもおかしくはない。
そう思ったのだろう。
……まぁ、あながち間違ってる訳じゃないんだけどな。実際、俺と桐条は協力関係を結んでいるんだし。
ともあれ、江古田が俺に取り入ろうとするのは、その辺が理由だろう。
もっとも、だからと言って俺がそれに協力する必要がある訳でもないのだが。
「では、私もそろそろ行かなければならないから、失礼するよ」
そう告げ、江古田は去っていく。
それを見送っていると、やがて鳥海も立ち上がって口を開く。
「さて、じゃあ私達も行きましょうか。このままここにいると、もうHRが始まってしまうしね」
そう言い、鳥海は俺を引き連れて職員室を出ていく。
「この学校の案内は……まぁ、岳羽さんに任せておけばいいわよね。元々知り合いなんだし、何かあったら岳羽さんに聞いてね」
おい、それでいいのか。
思わずそう突っ込みそうになったが、取りあえず今は大人しくしている方がいいと判断して特に何も言わない。
それに、生徒に対しては無関心というか……無干渉? の教師の方が、俺に取っては都合がいい。
妙な真似をした時も、無関心であれば適当に流してくれるだろうし。
そう考えれば、江古田とかのクラスじゃなくてよかったのか。
「ん? ゆかりに聞けって事は、俺はゆかりと同じクラスなんですか?
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