ペルソナ3
1842話
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だ。
敢えて理由をつけるとすれば、自分達が憧れている桐条が俺に気安い態度を取っているから……といったところか。
そんな理由で憧れの視線を向けられるのは、正直いい気分ではない。
勿論桐条に憧れていても、そこまで深いような奴はそう多くはない。
中には、桐条に興味を持っていないような奴すらいる。
そう考えれば、そこまで気にするような事はないのかもしれないが……その辺は、まぁ、仕方がないのだろう。
ともあれ、周囲から様々な視線を向けられながら、俺は桐条に近づいていく。
「おはよう、アルマー」
「ああ」
「学校に来るまで、迷わなかったか?」
「……あのな、俺は以前にも月光館学園に来た事があるんだぞ? なんでそれで俺が迷うと思うんだよ」
「以前アルマーが来たのは、あくまでも部外者としてだろう。やはり学生として来るのでは、色々と違いがあるのではないか?」
「そう言われても……特に何もなかったけどな」
「そうか。まぁ、戸惑ったりしなかったのであれば、こちらは問題ない」
そう言いながら少し残念そうな表情を浮かべるのは、俺が迷子になるのを願っていたのか?
いや、まさかな。
「それで、これからどうするんだ?」
「職員室に案内する。そこでアルマーのクラスの担任教師と引き合わせる。私の仕事は取りあえずそこで終了だ。ただ、今日の授業が終わったら生徒会室に来て欲しい」
「生徒会室に?」
現在の俺は、あくまでも一般の生徒という扱いだ。
そうである以上、転入生だからといってわざわざ生徒会室に行く必要はないと思うんだが。
「ああ、そうだ。勿論アルマーに生徒会に入れなどと言うつもりはない。ただ、ちょっと個人的な話をしたいだけだ」
きゃー、と。何人かの生徒達が桐条の会話を聞いて黄色い悲鳴を上げる。
……さて、一体どんな事を考えてそんな悲鳴を上げたのやら。
ともあれ、こっちとしては周囲の注目を集めながら桐条と話をするというのは、出来るだけ避けたい。
「取りあえず中に入らないか? ここだとちょっと落ち着かないし」
「ふむ、そうか? まぁ、アルマーがそう言うのであれば私は構わないが。では行こうか」
そう言い、俺は桐条と共に学校間学園の校舎の中へ入っていく。
……背中や後頭部に幾つもの視線を感じながら。
「失礼します、鳥海先生はいらっしゃいますか?」
桐条がそう言いながら職員室に入り、俺もそれに続く。
桐条が職員室に来るのは珍しい事ではないのか、特に教師達から視線が向けられたりはしていない。
いやまぁ、生徒会長らしいから、職員室にはしょっちゅう来てるんだろうが。
「あら、桐条さん。……じゃあ、そっちが……って」
鳥海という言葉にどこか聞き
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