第四話
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た後、それぞれが何をするか、どこを狙うかが手に取るように分かった。そしてその現象を起こした原因に一つの心当たりに至った。
もしかしたら、今のような力が……。」
「──そう、《ARCUS》の真価ってワケね。」
頭上からの声と広間に鳴り響く拍手の音。カイム達が声と音のした方へ顔を向けると、そこにはサラの姿があった。
「いや〜、やっぱり最後は友情とチームワークの勝利よね〜。うんうん、お姉さん感動しちゃったわ。」
階段を降り切ったサラは、呆然、不信、怒り、といった様々な視線を受けながら皆の前に立った。
「とりあえず、これで特別オリエンテーリングは終了なんだけど……何よ君たち。もっと喜んでもいいんじゃない?」
「よ、喜べるわけないでしょう!」
「正直、疑問と不信感しか湧いてこないんですが。」
マキアスとアリサが白い目をサラに向け抗議を行う中、ユーシスは一人冷静な態度を崩さずに口を開いた。
「……単刀直入に問おう。特科クラス《Z組》……一体何を目的としているんだ?」
「身分や出身に関係ないというのは確かに分かりましたけど……。」
「何故我らが選ばれたのか、結局のところ疑問ではあるな。」
ユーシスに続き眼鏡の女子と青髪の女子が疑問を投げかける。当然の事だろう、結局一番重要な所については何一つ教えてもらってないのだから。
「ふむ、そうね……。君たちが《Z組》に選ばれた理由は色々あるんだけど……一番判りやすい理由は、その《ARCUS》にあるわ。」
「この戦術オーブメントに……?」
エプスタイン財団とラインフォルト社が共同開発した最新鋭の戦術オーブメント──《ARCUS》。魔法アーツや通信機能など、多彩な機能があるが、その真価は別にある。
「《戦術リンク》──先ほど君たちが体験した不思議な現象にある。」
「《戦術リンク》……。」
「さっき、皆がそれぞれ繋がっていたような感覚が……。」
「……もし、それが本当なら……。」
そう、もしそれが本当なら戦場において、《戦術リンク》がもたらす恩恵は絶大となる。
どんな状況下でもお互いの行動が把握でき、最大限の力で連携できる精鋭部隊──あらゆる作戦行動を可能にするその部隊は、全ての軍隊にとっての“革命”となり得る。
「でも、現時点で《ARCUS》には個人的な適性に差があってね。新入生の中で君たちは特に高い適性を示したのよ。」
それが身分や出身に関係無くこの十人が《Z組》に選ばれた理由だとサラは語り、さて、と彼女は言葉を切り替える。
「トールズ士官学院は、この《ARCUS》の適合者として君たち十人を見出した。でも、やる気のない者や気の
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