第四話
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
それより急ごう。こうして門番が起きたってんなら他の連中が戦ってるんだろうさ。加勢してさっさと終わらせよう。」
「そうだね。」
「ふん、確かにその方が効率はよさそうだ。」
咆哮を聞き、一人では流石に厳しいと判断したユーシスは今度の提案には賛成し、その言葉を皮切りに三人は咆哮が聴こえた方向に走り出した。そしていくらか進んだ先の広間ではカイム達以外の面々が道中の魔獣とは比較にならないであろう禍々しい魔獣と戦闘を行っていた。
「《石の守護者》《ガーゴイル》か……。」
「あれを知っているのか?」
「ああ、何百年も前に起こったという《暗黒時代》、神殿や遺跡などに許可無く入り込んだ侵入者を排除する為に産み出された石の“魔物”だ。その身体は岩よりも硬く、例えダメージを与えられたとしても、たちまち再生しちまう。」
その言葉の通り《石の守護者》の体は受けた傷を端から修復していた。このままではジリ貧だろう。
「カイム、どうする?」
「俺が突っ込むから二人は援護してくれ。倒しきれずとも修復に時間がかかるくらい重いのをぶち込んでやる。」
「無謀、と言いたいがお前に限ってはそうは言えんな。いいだろう。」
策を決めた三人は《石の守護者》の方を向いた。そしてフィーが射撃、ユーシスがアーツを放ちそれに僅かに遅れカイムが突撃する。複数の弾丸とアーツによる風の塊が《石の守護者》に命中し怯んだ隙に一撃を加えようとした瞬間……カイム達の体を淡い光が包み込み光のラインで繋がった。この現象が何かは分からないが直ぐに疑問を振り払う。全員の動きが分かる今は想定以上の好機。構わず突撃し繰り出すは、かつて世話になった武術の師匠の一人に連れられた先で出会い手合わせした同じ剣術を使う武人の業。
「光鬼斬!!」
鬼気迫る居合いが《石の守護者》を襲う。その速さと鋭さは石の体を切り裂き並みの傷では怯みすらしない《石の守護者》が悲鳴を上げながら体制を崩す威力を持っており、大きな隙を作ることに成功する。そしてカイムはそのまま後ろにバク転の要領で宙に飛ぶ。ラインで繋がっているから分かる、この隙を彼等は見逃さない。その予想の通り残りの面々が攻撃を開始した。
魔法の光球、銃弾と矢、剣や槍が《石の守護者》を襲う。ほぼ全員が今日初めて出会ったばかりのはずなのに、長年のパートナーのように精巧で洗練されている連携に驚きと戸惑いを抱きつつも、皆攻撃の手を緩めない。そしてその時はやってきた。
「今だっ!」
「任せるがよい!」
黒髪の少年の叫びに答えたのは、青髪の少女だった。彼女は身の丈ほどもある大剣を振るいながら、怯んだ《石の守護者》の首筋を斬り付けた。
岩すらも容易く寸断するであろう重撃をまともに受けた《石
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ