第四話
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」
「ぐっ……………」
「まあ―――魔獣が恐いのであれば同行を認めなくもないがな。武を尊ぶ帝国貴族としてそれなりに剣は使えるつもりだ。貴族の義務(ノブレス=オブリージュ)として力なき民草を保護してやろう。」
「だ、誰が貴族ごときの助けを借りるものか!」
しかしユーシスに尋ね返されたマキアスは唸りさらにユーシスの挑発ともとれる言葉に怒鳴った後通路に近づきユーシスを睨んで怒鳴りつけた。
「もういい!だったら先に行くまでだ!旧態依然とした貴族などより上であることを証明してやる!」
それを見た後ユーシスは
「……フン。」
鼻を鳴らしマキアスの姿が見えなくなった後、一人で通路の先へと進み始めた。そしていつの間にかフィーの姿も見えなくなっていた。
「…………………。」
「……えっと………。」
「ど、どうしましょう……?」
去って行く二人を見ていた黒髪の少年は黙り込み紅髪の少年と眼鏡の少女は戸惑っていた。
「ふう、さて行くとしますかね。」
このままだと埒があかなそうなのでカイムも先に進むことにして入り口に近づくと青髪の少女に声をかけられた。
「待て、そなた一人で行く気か?」
「ん?あぁ、ここにいる魔獣は大したレベルじゃない。それに先に行った連中の様子も気になるしな。
そっちはこういうの慣れてなさそうな奴が何人かいるしチーム組む事を進めとくよ。また後で会おうぜ。」
そう言ってカイムはダンジョン区画へと歩を進めた。
「あらよっと。」
そう言いながら襲い掛かってくる魔獣を倒しながらカイムはダンジョンを進んでいた。腰にはエレボニア内では殆ど見られない形状の剣―――刀―――を差していたがこのダンジョンの敵には必要無く、カイムは素手による格闘で魔獣を蹴散らしていた。
「まあこんなもんだろ……それでフィー、いつまで後ろをついてくるつもりだ?」
「やっぱばれちゃうか。流石だね、カイム。」
カイムが後ろに向かって声をかけると近くにあった柱の影からフィーが姿を現した。どうやら気配を殺してずっと付いてきていたらしい。
「本当にお前は猫みたいだな。よく寝てるかと思って少し目を逸らしたら直ぐにどっかにいっちまう。そして気が付いたら傍にいるときたもんだ。」
「それが私のキャラだし。」
「そうなんだがな。まあいい、先に進もう。丁度先にグループから別れた奴が一人でいるからそいつも拾っていこう。」
「ん、ラジャー。」
気の抜ける声色で同意したフィーに苦笑しながら先に進むと、そこには魔獣の群れに囲まれているユーシスがいた。彼の実力はある程度知ってい
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