第四話
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サラが説明を終えると灯がともり、そこは広間となっていて、それぞれの台座に荷物と宝箱が置かれていた。
『君達から預かっていた武具と特別なクオーツを用意したわ。それぞれ確認した上で、クオーツをARCUSにセットしなさい。』
全員に説明をし終えたサラは一端通信を切り、その場は無言に包まれたがやがてそれぞれ自分の荷物の方に向かい始めた。
「ふむ………とにかくやってみるか。」
「まったく……一体なんのつもりだ。」
「……………。」
「俺のは……あれか。」
「僕のはあっちだ……行ってくるね。」
「こうしててもしょうがないし俺達も行こう……俺のはあれか。」
「そうね……私はあれね。」
最後に動いたカイムとアリサも他の面々に習い共に自分の武具が置かれている台座へ近づく。カイムは荷物の目の前に置かれてある宝箱を開け、そこに入っているマスタークオーツを見つけ、サラの指示に従ってオーブメントにセットした。
「……………これは………。」
それぞれがマスタークオーツをセットするとオーブメントは不思議な光を放った。
『君達自身とARCUSに共鳴・同期した証拠よ。これでめでたくアーツが使用可能になったわ。
他にも面白い機能が隠されているんだけど……ま、それは追々って所ね。―――それじゃあさっそく始めるとしますか。』
驚いているカイム達にサラが説明をし終えた後、閉じられていた扉が開いた。
『そこから先のエリアはダンジョン区画になってるわ。わりと広めで、入り組んでいるから少し迷うかもしれないけど……無事、終点までたどり着けば旧校舎1階に戻ることができるわ。
ま、ちょっとした魔獣なんかも徘徊してるんだけどね。
―――それではこれより士官学院・特科クラス”Z組”の特別オリエンテーリングを開始する。
各自、ダンジョン区画を抜けて旧校舎1階まで戻ってくること。文句があったらその後に受け付けてあげるわ。
何だったらご褒美にホッペにチューしてあげるわよ♪』
「酒臭そうだしいらねえわ。」
『やかましい!さっさと行きなさい!!』
カイムとサラの会話が終わった後、皆はそれぞれ集まって互いの顔を見回して黙りこんだ。
「え、えっと………。」
「……どうやら冗談という訳でもなさそうね。」
「フン………。」
無言の空間に紅髪の少年の戸惑いとアリサの真剣な呟きが響く中、ユーシスは鼻を鳴らした後先へと進む通路に歩きかけた。
「ま、待ちたまえ!いきなりどこへ……一人で勝手に行くつもりか?」
そこに慌てたマキアスが制止の声を上げて尋ねた。
「馴れ合うつもりはない。それとも”貴族風情”と連れだって歩きたいのか?
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