0182話『体育の日。怠惰な初雪の災難』
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初雪です……。何やら吹雪姉が今日は体育の日だからって運動をしようとかふざけた提案をしてきたんだけど、初雪以外のみんなは乗り気のようで吹雪型は強制的に運動をすることが決定してしまったらしいの……。
だるいー。部屋でゲームしていたい……。
そんな事を顔には出す事も出来ずに初雪も今現在みんなと走り込みをしているんだけど……。
「ねぇ、白雪姉さん……」
「なんですか、初雪ちゃん?」
白雪姉さんは平気そうな顔で走っているけど少しどうなんだろうと思う。
「もう少し、ペースを落とさない……?」
私はせめてもの思いでもう少し走るスピードを下げないかという事を進言したんだけど、
「それは却下です」
「なんでー……?」
「この程度のスピードならまだ海上を走っている方が体力の消費が激しいからですよ。だから初雪ちゃんも我慢してね」
「うー、分かった。頑張る……」
確かに会場を走るくらいならまだジョギングをしている方が気楽ではあるからね。
それでもやっぱりダルイ事には変わりはないんだけど……。
「ほら、初雪姉さん。もっと早く走んなよ? 後ろがつっかえちゃうだろう?」
体力バカの深雪がなにかほざきだしているんですけどー? 私だってこれで精一杯だっていうのに……。まったく困ったものだ。
「……それじゃ追い越してもいいよ。深雪なら一番前を走る吹雪姉に追いつけるでしょう……?」
「まぁな。そんじゃ深雪スペシャルをお見舞いするとするかー! ゴー!!」
そう言って深雪は一気にダッシュをかけて吹雪姉のところまで走っていく。
吹雪姉にそれで「うわっ!? 深雪ちゃん元気だね!」と驚かれているし。
それを見て単純だねぇと思う始末である。
「あの、初雪ちゃん……なんか深雪ちゃんに悪いと思うんだ」
「そうだよ初雪姉さん」
磯波と浦波がそう言う事を言ってきたけど、
「私は悪くない。深雪がただ単純なだけ……」
「ま、まぁそうなんですけど……」
「それを言われちゃ仕方がないけどさぁ……」
それで磯波と浦波も静かになってくれた。
私としてはありがたい。
この無意味ともいえる長距離走では喋るだけでも体力を奪われるんだから少しでも力を温存しておかないと身が持たない……。
そんな中、叢雲にふと目が止まる。
彼女だけはなにか考え事をしながら走り込みをしているという少し器用な光景だった。
それなので私は少し走るスピードを落として叢雲に並走してなにをしているのか聞いてみようと思う……。
「叢雲……?」
「……吹雪……落とす……こんな……くだらない事に……私を……参加……させるなんて……」
ゾワッ!っと少し寒気を感じたのは間違いじゃなかった。
叢雲は私以上にこの長距離走をダルイと
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