第一部 ケイオスクルセイダーズ
名状しがたい幕間の物語のようなもの
18.お酒曰わく酔えよカオス(後編)
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かった。
「………酔って忘れられないのが悲しいぜ」
そう言いながら、杯に酒を注ぎ仰いだ。
『そう言えば、全然酔ってませんよね?お酒強いなんて初めて知りましたよ。私』
「そりゃ、俺も初めて知ったしな。ところで、物凄くいやな予感が」
「ジョォジョォォォォォォ!」
グボォア!と呻き声をだし早苗の突進を受けてしまった。
「えへへへ♪じょぉじょぉ」
「ダメだこいつもうベロンベロンになるまで飲んでやがる」
「じょぉじょぉ、いっしょにのもーよー」
「ええい、喧しい!抱きつくな!頬をすりすりするな!てか俺も飲んどるわ!」
丞一は藁にもすがる思いでニャル子をみた。
ニャル子はにやにやと笑みを浮かべていた。ひとまずニャル子にはフォークを刺しておいた。
早苗にも同じようにしておきたかったが、早苗は悪意があるわけではない。ただ酔っているだけなのだ。それだけに丞一はフォークを出すことを躊躇われた。さらにフォークを刺すことができない理由がもう一つあった。今、早苗は丞一に抱きついている。それはもう背骨を折る勢いで。そう、当たっているのだ。撓わに実ったその胸が。丞一の腕に。
丞一は次に迅をみた。
「ちょっとぉ、じん〜。あんたもいっしょに飲みなさいよぉ」
「じんー!れいむがいじめるぅ!!」
ゲッ!という顔をし真っ青にしていた。
丞一はなおも迅を見て助けを求めた。
しかし、迅は気づかない。
迅は丞一を見つけて希望を持つも、一瞬で絶望に満ちあふれた顔をし顔をゆっくり背けた。背けるほどだっただろうか。そう疑問に思っていると、寒気がした。
「って、ちょっ、うおぉ!!」
丞一は早苗に押し倒された。逆に押し倒された。
「ちちちちちょっ!ななななななな何してんだよ!」
「ん〜?じょじょをたべようかと」
ひっ!と小さく悲鳴を上げた丞一は間違っていないはず。何時もの攻めと受けの立場が逆転していた。そんなことよりも丞一の貞操の危機である。
ただ勘違いはして欲しくないが、丞一は早苗が嫌いだから危機を感じているのではなく。ただ場所と時をわきまえて欲しいばかりなのだ。
(理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能!ヤバいヤバいヤバいヤバい!どうする!?)
自らの無力さをのろい、貞操を諦めかけたそのとき。
ドォォーーーーン!カチコチ……
「『ザ・ワールド』。時は止まった。ほら、もう動けるでしょ。後は何とかしなさい」
丞一は目の前で止まっている早苗から目線をずらし斜め上を見上げる。
「姉さん」
咲夜が立っていた。角度的に中が見えないのだろうか。見えないのである。瀟洒だから。
「サンキュー。助かったぜ」
「当然のことをしたまでよ。─────お嬢
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