第5章:幽世と魔導師
第127話「強化される妖」
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!」
真っ先に向かってきているからか、校舎から叫び声が聞こえる。
それを聞いて私は一気に踏み込み、駆ける。
「ぁああああっ!!」
背後から一突き。刀が妖に深々と刺さる。
……そこまで来て、それが悪手だと気づく。
「っ…!」
刺したのは槍を持っていた方。もう一体の刀を持っている方が斬りかかってくる。
さらに仕留めきれていない。完全に失敗した……!
「くっ……!」
間一髪刀を躱すけど、同時にフォーチュンドロップから手を離してしまう。
「アリシア!」
「まだっ…!」
校舎の方から私を呼ぶ声がする。危ないと思ったのだろう。
咄嗟に飛び上がり、ホルスターから二丁の銃を抜き、一気に撃つ。
「(こっちも仕留めきれてない……!)」
刀で一部は弾かれ、半分程は躱された。当たったのは当たったけど、足りない。
「(弾もあまり使えない…なら!)」
銃に残っていた弾でフォーチュンドロップが刺さったままの奴に牽制する。
躱した所を肉迫し、抜くと同時に切り裂く。
「(これで一体!他………はっ!?)」
思考を強制中断させられるように、爆風に吹き飛ばされる。
椿の訓練のおかげで咄嗟に飛び退いたからそれだけで済んだけど、術を扱う奴が私を狙っていたようだ。……迂闊…!
ギィイイン!
「っ、傷が…!?」
振るわれる刀を受け止め、私は驚く。
その刀を振るってきたのは、先程仕留め損なったものの瀕死にさせた奴だからだ。
そして、すぐにその理由を理解する。
「(後方に、回復の術を扱う個体……!?連携まで取るの!?)」
爆風に晒され、そこへの追撃。
私は体勢を立て直しきれていなかったため、徐々に追い込まれる。
ギィイイン!
「くっ…!…っ、しまっ…!?」
一度弾かれるように間合いを取る。
その瞬間、叩きつけるように斧を持った相手が攻撃してきた。
「ぐ……ぅ…」
体勢を保てず吹き飛ばされる。
身体強化の魔法は効いているため、怪我はない。だけど…。
「あ、アリシア……」
「…………」
立ち上がる私の背後には、結界。
つまり、どんどん校舎の方に追いやられていた。
司はまだ足止めを喰らっている…。
「(……避ける、訳には…!)」
結界がどれほど堅いかは知らない。
だけど、皆の安心のためにも避けられない。
そう覚悟して、襲い掛かる妖を迎え撃とうとして…。
ドスッ!
「……え…?」
「まったく、無茶はダメだよー?」
術を放とうとしていた個体、そして私に刀と斧を振りかぶっていた二体。
計三体の
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