第5章:幽世と魔導師
第127話「強化される妖」
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いた時は散々ボコされても立ち直っていたし、打たれ強さには自信がある。退き際も優輝のおかげでわかってきた。
「っし…来いよ」
〈なお、マスターは霊術を習っていないので割と無視されます〉
「今言うなよ!?さっきから反応悪いなと思ってたけどよぉ!?」
そう。妖は霊力に反応する。…椿達からはそう聞いている。
厳密には、陰陽師の強さによって反応するらしいが…。
つまり、俺は手を出さなければほとんどが奏達の方へ向かう。
俺も転生者……“死”を身近に感じた人間だから霊力はあるらしい(優輝に聞いた)が、鍛えてなければあまり見向きされない。
「まぁ、先制を打てるのは良い事だ。とっとと片づけてやる」
〈ではマスター、武器の貯蔵は充分ですか?〉
「あまり俺を侮るなよ?エア。……ってちょっと待て。お前そんな性格だったか?」
今まではもっとお堅い感じだった気がするんだが…。
いつからこんな冗談を言うようになったんだ?
〈なんの事やら。ほら、来ますよマスター〉
「やっぱ性格変わってるぞてめぇ!?冗談言ったり毒舌になったりそんな奴じゃなかっただろ!?」
程よく緊張をほぐした方がいいと優輝も言っていた気がするが、これはひどい。
〈失礼。マスターは本当に変わったのだと嬉しく思いまして。こんなにノリ良く突っ込んでくれるとは……〉
「変わったかどうかの試し方に非常に物申したいんだが…。…変わったのは否定しないが…なっ!」
武器を射出し、振るい、妖を切り裂く。
ほとんどが先制攻撃を確実に決めれるから、奏達よりはやりやすいかもしれん。
まずは魔法から普通に扱えるようになれと言われたが…こんな所でそれが活かされる事になるとは思わなかったぜ。
〈ですが油断しない事と注意をお願いします〉
「あ?油断はともかく注意って何をだ?」
〈今回は司様以外の結界が張られていません。つまり、地形の被害はそのまま反映されます〉
「………あ」
今までは結界による空間位相のずらしで地形に被害はなかった。
だけど、今回はそれがない。加えて、俺は先程から武器を射出している。
「は、早く言えぇええええ!?」
〈まぁ、日本全土がこの状況なので仕方ないかと〉
「…それもそうだが……」
至る所に武器が刺さった跡がある。木もいくつか倒れていた。
…やっちまったなぁ…。いや、アホやらかしてた時も何度かあったけどさ。
〈妖も霊力の存在。結界では捉えきれませんよ?〉
「…それは…仕方ないか」
一部を取り込んだ所で次から次へと湧いてくる。
しかも霊力の存在だから取り込む事自体も至難の業だ。
それなら、張らない方が魔力節約にもなる。
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