第5章:幽世と魔導師
第127話「強化される妖」
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二振りの刀を投擲し、突き刺す事で止める。
刀はエンジェルハートを変形させたものなので、込めた魔力を炸裂させる。
「っ!」
ギィイイン!
武器を手放した私に、斧を持った最後の一体が斬りかかってくる。
叩きつけ…まともに受け止めるつもりは毛頭なかった。
それに、武器を手放しても……無防備ではない。
ガードスキル、ハンドソニックを使ってその一撃は受け流す。
「シッ……!」
霊力を足に込め、一気に踏み込む。
ディレイを使ってもいいのだけど、出来るだけ魔力は温存しておきたい。
それに、使う程の相手でもないし、この踏み込みなら霊力の消費も軽い。
「はっ…!」
刀、槍、斧の攻撃をそれぞれ躱し、反撃に切り裂く。
そうこうしている内に、術師の二体がまた霊力を練っていた。
「(あれだけでは、倒せなかったのね…)」
まだ苦戦している訳ではない…けど、あまり時間をかけるべきではない。
…幸い、私は一人ではないわ。あの二体の相手は…。
「奏の邪魔は、させないわよ!」
……アリサに任せるとするわ。
「はぁっ!」
―――“火焔地獄”
アリサが霊力を練って刀を一閃し、その軌跡の通りに炎が放たれる。
牽制として放たれたその炎を術師二体は相殺する。
「遅い!」
相殺の隙にアリサは突貫し、刀を一体に突き刺し、切り上げる事で切り裂く。
続けざまに炎をもう一体に放ち、避けた所を一閃。一気に仕留めた。
「ふっ……!」
私の方も、もう終わり。
まだ倒れてなかった三体の攻撃を躱し、首を刎ねる事で仕留める。
「やったわね。」
「ええ。……っ!」
「えっ!?」
消滅した事を確認し、喜びを表情に出すアリサを見た瞬間、私は駆ける。
刃を向けるのはアリサ…その背後。
「っ……あ……」
「油断大敵。……まだ終わってないわ」
「そ、そうね…」
次の妖がアリサの背後に迫っていた。
幸い、さっきの影と違って弱かったからすぐに仕留められた。
「アリサ、さっきの攻撃で大きく消耗したでしょう?」
「…ええ。でも、まだ大丈夫よ」
「そう…でも、無理はしないで」
「分かってるわ」
アリサは長期戦の経験がない。
模擬戦は短いし、特訓自体は長くても実戦ではない。
……だから、精神的疲労が心配になる。
「(……でも、アリサ達の力も必要なのは確か。……多分、以前優輝さんが言っていた“皆の力が必要になる”時は、今の事だから…)」
日本全土が同じ状況なら、海鳴市を安全にした所で終わらない。
…否が応でも戦い続ける事になる。
「っ!…アリサ
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