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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十三話 また会うために
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よ」
俺はその場でフェイトのことをギュッと抱きしめ、右手で頭を撫でる。
「……うん、お兄ちゃん」
最初は驚きつつも、最後は緊張は抜け、感情が赴くがままに抱きしめ返してくれた。
事件の最中はこうして抱きしめると、ほんの少しだけ、フェイトは遠慮がちに体を固くしていた。
それは無意識なのだろう。
まぁ年頃の女の子が異性に抱きつかれれば、そりゃ当然の反応とも言えるけど、親の愛情をほとんど与えてもらえなかった少女は、他者から与えられる愛情に混乱して、どう受け止めればいいのか分からなかったのだろう。
だけど、こうして少しだけ、フェイトは変わっている。
俺は兄として、それを心の底から喜ばしく思う。
そして同時に、いつか、どうしようもなく不可能な奇跡が叶ったとしたら、あなた方に伝えたい。
プレシア。
リニス。
そして、アリシア。
あなた方がこの世界に残してくれた少女は、自分の道を、自分の足で歩き出しています。
そしてその隣には、たくさんの友達の、たくさんの笑顔に溢れていて、
「さて、そろそろ時間だろ?」
「うん。 名残惜しいけど、行かなきゃ」
「大丈夫。 帰ってきたら、また一緒にデートをしよう。 約束するよ」
「うん!」
そんな幸せに溢れた世界で、フェイトも幸せですよ――――。
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