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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十三話 また会うために
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ろう。
そして今分かるのは、この事件は終わったってこと。
「……ははっ」
「お兄ちゃん……泣いてるの?」
「え?」
フェイトが俺の顔を覗き込みながらそう言って、左手で頬を触ると、そこには海水とは違う、汗とは違う、少し熱を帯びた液体が流れてるのに気づく。
これは……涙?
「え……俺、なん、で……」
「お兄ちゃん……」
左手で必死に拭うけど、止まらない。
不思議だ。
こんなに泣いたのは久しぶりで、しかも、嫌な気がしない。
清々しい涙を、どう止めればいいのか分からず、だけど
「大丈夫……大丈夫、だから」
「ホント?」
「ああ。 これは別に、嫌な涙じゃないから」
そう言って、俺は涙ながらに笑みを見せる。
それは作り笑いじゃない。
心の底から出した、俺の素直な感情だ。
ならばきっとこの涙は、嬉し涙だ。
俺は左手で、必死になって救った少女の頭を撫でながら、その瞳を見つめる。
「よかった。 君が、笑顔になって」
「……うん。 私を助けてくれてありがとう、お兄ちゃん」
「……ああ」
互いに思いの丈をぶつけ、そして笑い合う。
さて、終止符はちゃんと打った。
これ以上は、ホントにデートなんて雰囲気じゃなくなる。
涙は止まった。
そろそろ行こう。
「さて、飯でも食いに行くか」
「うん!」
もう一度、俺たちは歩き出す。
今度は新しい一歩を、しっかりと心に刻みつけながら。
*****
二ヶ所目は喫茶店・翠屋。
そう、なのはの実家だ。
洋菓子もそうだが、ここは主食も普通に提供されている。
数は少ないが、それでも充分にお腹が膨れるものが食べられる。
雰囲気もいいし、海鳴じゃ人気の店だ。
デートにはピッタリだろうと思いながらそこで食事を取っていると、なのはの母こと桃子さんが嬉しそうな表情で紅茶をサービスしてくれた。
小さな気遣いだけど、十二分に嬉しかった。
流石にフェイトからケーキを一口あ〜んされた時は恥ずかしさで倒れそうだったが。
食べましたけどね!?
なんだったら俺の方からもあ〜んをやりましたけどね!?
周りからの暖かい眼差しがなんとも言えない時間でしたよ!?
なんてことを終えた俺達が最後に向かったのは、少し山道を登った先にある無人の神社だ。
小さな山の頂上とはいえ、そこからみた海鳴の景色はとても綺麗だ。
それを見に行くのもデートの醍醐味だろう。
そしてここは、俺とフェイトの思い出の場所でもある。
「ここで、私とお兄ちゃん
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