2.Nの疾走/ドーパント?
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せなかった。ドーパント、聞いたこともない言葉だった。
「十中八九な。先週から数えて似た事件が三件目。ま、ここまで派手ではなかったがな」
そう言いながら、慧音は翔太郎に封筒を渡していた。おそらく、事件の資料だろう。
「何か分かったら連絡を頼む」
肩を叩き、再び現場を指揮に戻っていった。
事件現場を後にした私たちは人気のない落ち着ける場所に来ていた。
「ふーん。………どれも戸上が勤めていた所の支店か。………やれやれ。人探しのはずが、ドーパントに突き当たっちまうとはなぁ」
「ドーパントって何よ?」
しかし、翔太郎から答えがは返ってくることはなかった。すでに自分の世界に入ってしまっているのだろう。
私はお祓い棒を袖から出し、ひっぱたいた。
「これはまた、俺たちの出番って────風向きかな?っつて!?」
そして、首を絞める追加コンボを繰り出す。
「カッコつけてないで早く説明しなさい!ドーパントっていったい何なのよ!」
「いつつつつ!暴力反対!(ピリリピリリ)レイヴンか?」
レイヴン?誰かは分からないが。通信機のようなもので連絡を取っていた。首絞められてるのに器用ね。
「送った資料読んだか?」
『読んだ読んだ。またやっかいな事件拾ってきて。大将。おたく呪われてんじゃないの?』
「お前がそれ言うか。まあいいや。お前にドーパントの能力を調べて……………やっぱいいわ」
『急にどったの?因みにお姉さんが調べたところドーパントの能力は』
「『Flareだ!(よ)』」
そういう翔太郎と私の目の前には岩、いや溶岩を纏い陽炎を立ち上らせている怪人が目の前にいた。
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