2.Nの疾走/ドーパント?
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れをちょちょいっと弄ったからな。他も手入れてるし四、五百馬力は出るはずだ。運転の方を言うならこれが普通だ」
嘘こけ、と言いかけた口を開けれ果てて開けなかった。現に、文をすでにバックミラーに写している。もう少しすれば消えてしまうだろう。
「…………それにしても、車ってそんなに楽しいの?」
「……どうして?」
「にやけるわよ」
どんな事態にも心揺れない精神はどこ行ったのよ。
「こればっかりは、な。まだやめられないぜ」
そう言うと、シフトチェンジしさらにアクセルを踏み込んだ。
霊夢を乗せた翔太郎のS2000はある一台の車を追い抜いた。
「排気くさい」
車の主は、チッ!と舌打ちをしその場を後にした。
「何よ、これ」
現場に着いてみると、見事に店が燃えていた。周りを見ると人里の自衛団たちが消火をしたり、後始末に追われていた。
それらを無視し現場を観察していると看板の文字の一部が落ちていて『染』『風』とあった。『風』の文字だけは装飾が施されていた。翔太郎もそれを見つけ自らのソフト帽を取り、書いてある文字を見せてきた。
「『和服屋 風階』。戸上が昔勤めていた所の名前だ」
私に説明し終えたところで後ろから声が聞こえてきた。
「ああ!翔太郎!?またお前首ツッコミにきたのか!」
「もこたん!悪いけど、付き添いにはちょっとな。慧音いる?」
白いシャツに赤いもんぺを着た彼女は藤原妹紅。迷いの竹林で案内役をし、そこでタケノコをとり生活をしていると聞く。
それにしても、この男の人脈には驚かされる。一介の探偵が魔理沙や妹紅、話し方的に慧音とも知り合いみたいだし。さらに今は妹紅と若干言い争い気味になっている。
やはり、うるさかったのだろう。二人とも慧音の頭突きを喰らって悶絶していた。
「全く、犬と猿かお前等は。それと翔太郎。ちょっと来てくれ」
さっき、翔太郎が調べていた場所だ。よくよく見れば瓦礫の山だった。
「慧音。すまないな」
「相変わらず鼻がいいな。それよりも見てくれ。あそこだ」
そう言いながら、目線で場所を示す。既に鎮火はすんでいるが、ぼろぼろだった。そんな中を踏み込んでいき着火点までたどり着いた。
「ここが、基本が店で出すものを作り、また原案を考える場所らしい。見ろ。入り口付近から裏までのこの距離を。そしてここには店主は関係者以外は入れなかったて言うし、裏と言っても本当に裏口に近い訳じゃないから火矢を打ってどうこうできる問題じゃない。それこそ盗人まがいに押し入ったわけでもない。となると、だ」
これで三件目だ、と慧音は頭を抱えて嘆いていた。
翔太郎は崩れていた断面の写真を撮っていた。
「ドーパント、か」
私はその言葉に疑問を隠
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