暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十二話 後始末
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
から外れ、魔導師のリンシアとしてお話します」

「……はい」

 そう。

 別の仮説を立てるとすれば、恐らく魔導師目線になる。

 つまり――――魔法が関係している。

「私の仮説は二つ。 禁術級魔法の使用です。 魔法は指定エリアに魔法陣を展開、固定させることでその場に指定した魔法を出現させることです。 魔法陣の展開、停止、固定、魔力の分解、再構築、発動などの細かいプロセスを踏みますが、その途中にある『停止』を術式化させ、人体の成長や老化を停止させている可能性があります……というのが一つ目です」

「停止……というか、封印に近いですね」

「確かに、停止の最終形が封印とも言えますね」

 つまり姉さんは魔導師の術式によって眠らされているということ。

 だけど、それには疑問が残る。

 なぜそんな無意味なことをしたのか、だ。

 人一人の成長や老化を停止させるのは、かなり大規模な詠唱と術式、そして大量の魔力の消費が必要になる。

 父さんと母さんを殺しておいて、姉さんをそうする必要はなかったはずだ。

 最初から姉さんが目的で襲撃したのなら、それこそ姉さんを眠らせる必要はなく、殺害するのが普通だろう。

 眠っているのならば、いつかは目覚めてしまうのだから。

 仮に姉さんが眠っている間に何か、悪い計画を企てている者がいたとしても、姉さんが邪魔になる計画があるとは思えない。

 それこそ邪魔なら殺せばいいのだ。

 わざわざ禁術を用いてまでする必要がどこにある?

 そこに納得がいかない限り、この仮説が正解とは言い難い。

「二つ目は、ロストロギアの影響を強く受けてしまった場合。 例えば対象の人物の未来を喰らうようなロストロギアがあったとすれば、海嶺さんが目を覚まさないのが成長や老化の概念を奪われてしまったから」

「っ……」

 ロストロギア。

 この世に無限に存在し、そしてどれも発動すれば世界に影響を及ぼす代物。

 ジュエルシードもその一つだった。

 あれを収集した側だから、ロストロギアの怖さは理解できる。

 その中の一つに、もしリンシアさんの仮説に似てるものがあるとしたら……。

 それは納得ができる。

 だけど疑問が残るとすれば、両親の死だ。

 もしロストロギアの目的が他者の未来だとするならば、父さんと母さんのを奪わずに殺害した理由はなんだ?

 年齢が関係するのか?

 ならば俺たち以外の同年代の子どもが狙われていたはずだ。

 だけどこの事件に巻き込まれたのは俺たち小伊坂一家だけだ。

 俺たちだけが、別々の被害に遭った。

 その理由は……やはり分からない。

「すみません。 私が思いつくのはこの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ