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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン80 学園英雄と邪魔の化身
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野として思ったことを率直に言わせてもらえば、せっかく万丈目みたいに実力があるデュエリストがネタ要員みたいなことをするのはなんだか複雑な気分だ。

「まあ、シニョール万丈目もプロの世界を見て色々思うところがあったようですーシ、今は彼のデュエルを見守ってやるのが一番ナノーネ。それよりも私としてはシニョール清明、あなたが彼とのデュエルに立候補していないことが不思議なノーネ。鮫島校長にはシニョール十代と一緒に、あなたの名前も推薦しておいたのですが」
「あ、あはは……」

 言えない。いい小遣い稼ぎになりそうだったから辞退したなんて、この人の前では絶対に言えない。
 まあさすがに、理由がそれだけなんてことはないけれど。いくらペガサスさんから邪神アバター事件の時に新規カードテスターとしての証明書を貰ったとはいえ、壊獣といいグレイドルといい一般流通されていないカードだらけで構築されたこのデッキを全国放送で振りかざすのは流石にはばかられたのだ。特に今回は貴重な万丈目のプロ(?)初試合、僕が出ようものなら彼に申し訳が立たない。

「あ、お買い上げありがとうございます」

 トレイに載せた最後のサンドイッチが売れたちょうどそのとき放送開始を知らせるブザー代わりのチャイムが鳴り、僕もクロノス先生の横の空席に腰を下ろした。空のトレイを抱えてうろついたって邪魔なだけだし、僕もこのデュエルは見たい。ふとデュエル場を挟んで反対側の客席を見ると、たまたま座ってこちらを見ていた葵ちゃんと目が合った。僕が目で問いかけると、当然ですと言わんばかりに空になったトレイを持ち上げてこちらに見せつける。よしよし、彼女の方も売り子はきっちりやってくれたようだ。
 今回のデュエルはテレビ放送、しかも生中継ということでアカデミア側も演出に気合が入っているのか、客席の電気が消えると同時にその中央で向かい合う2人にスポットライトが当たる。マイクを持った女性レポーターがその姿をバックに、カメラに向かって営業スマイルを投げかけた。

「全国のデュエリストの皆さん、こんにちはー!今回のデュエルチャンネルはここ、海馬コーポレーションのお膝元ともいえるデュエリストの聖地、デュエルアカデミア本校におジャマしています!」

 ここでわざとらしくマイクを持ったまま耳に手を当てる。あざとい。少なくとも葵ちゃんは、僕がどう頼んでもあんなポーズとってくれないだろう。

「んん?おジャマ?そうです、今回のスペシャルマッチ。デュエルアカデミアにお邪魔したのは、私だけではありません!デュエルアカデミア代表として立ち上がった彼、遊城十代君の相手を務めるのはデュエリスト界に突如現れた期待の新生にしてあのエド・フェニックスの一番弟子!その名も……おじゃ万丈目!」

 その名を呼ばれると同時に、万丈目に一斉にス
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