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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン80 学園英雄と邪魔の化身
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「あーっと、ついに決着!長きにわたる激闘を制したのはデュエルアカデミア本校代表、遊城十代君でした!会場では現在、このどちらが勝ってもおかしくなかった素晴らしいデュエルを魅せてくれた遊城十代君、そしてあと1歩届かなかったおじゃ万丈目の両者に盛大な拍手が響いています!注目の新人、おじゃ万丈目のこれからの成長に我々デュエルチャンネルとしても大いに期待しつつ、今回の中継フェイズはここでおしまいです!名残惜しいですが、来週もまたデュエルチャンネルでお会いいたしましょう!」

 レポーターの人が、カメラに向かって締めの一言を述べる。その後ろで、十代が倒れた万丈目の方へ近寄っていくのが見える。万雷の拍手のせいでかき消され、恐らくマイクも拾えていないほどの小さな声ではあったが、なんとか十代が最後にかけた言葉を僕だけは聞き取ることができた。

「万丈目、今日のお前は強かったぜ。だけどメディアに注目されるために最後にわざと負けるなんて、お前がエドから学んだことがそれだったら、正直がっかりだ」

 やはり十代も、最後の万丈目の様子が引っ掛かったのだろう。それだけ言うと何も返さず、ただ悔しそうにうつむくだけの万丈目の方を振り返りもせずに会場から出て行ってしまった。
 だがその時の万丈目の表情が何となく気にかかった僕は、クロノス先生にあることを頼むことにした。訝しまれながらも了承を貰い、熱気冷めやらぬ会場を2人で後にする。すぐに目的の場所、コンピューター室にたどり着き、手近な1台を起動させて教員専用のページを開いてもらう。こればっかりは僕1人ではどうしようもないので、クロノス先生の手が必要だったのだ。

「それにしてもシニョール清明、さっきのデュエルのデータが見たいだなんて、一体どういう風の吹き回しナノーネ。確かに教員用のホームには生徒たちの成績をつけるために、常にデュエルデータは送信されてきますーが……」
「あ、最初の方じゃなくて、ラストターンのあたりをお願いします。万丈目が最後に伏せていたカードのあたりを。どうしても、気になることがあったんですよ」

 最後に万丈目が伏せていた、だけど使われなかったカード。十代はそれを、わざと負けるために発動しなかったのだと読んでいた。正直僕も同じ気持ちではあるけれど、それでも違うと心のどこかでは思っていた。それを裏付けてくれる、確たる証拠が見たかったのだ。昔はいざ知らず今の万丈目はそんなインチキするような奴じゃない、そう信じたかった。だが祈るような気持ちのなかで出てきたカードデータは、そんな思いを一瞬で吹き飛ばす現実を押し付けてきた。

「やや、これは……どういうことナノーネ」
「メタバース……」

 僕もクロノス先生も、その結果に言葉を失う。メタバース、それは発動時にデッキか
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