ペルソナ3
1841話
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りから距離を取る。
「ディア」
その言葉と共に、狂愛のクビドの身体にあった傷が回復していく。
ちっ、回復魔法持ちか。
しかも空を飛ぶ回復魔法持ちとか、厄介以外のなにものでもないな。
しかも、狂愛のクビドの使える魔法は、それだけではなかった。
「ラクカジャ」
ゆかりと距離をとった事により、矢を回避しやすくなった狂愛のクビドは再度魔法を使う。
一瞬その身体が光に包まれ……何だ?
ラクカジャというのは、俺も初めて見る魔法だ。
具体的にどのような効果があるのかは分からないが、それでもゆかりは攻撃魔法ではないと判断したのだろう。再度ショートボウで矢を射るが……
「嘘っ!?」
ゆかりの口から、驚愕の声が上がる。
当然だろう。狂愛のクビドがゆかりから距離を取った……つまり若干ではあるが矢の威力が落ちたのだが、それでも矢が与えた傷が先程と比べると大きく弱まっていたからだ。
先程は矢の半ばまで狂愛のクビドの身体に突き刺さっていたにも関わらず、今回は突き刺さったのは鏃だけだ。
どう考えても、狂愛のクビドの防御力が上がっていた。
なるほど。ラクカジャってのは防御力を上げる魔法か。
その効果が物理攻撃だけなのか、魔法攻撃に対する防御力も上げるのか、その辺は分からない。
だが、中々に便利な魔法であるのは間違いない。
……この世界の魔法を習得出来ないってのは、ちょっと残念だな。
「イオ、ガル!」
弓での攻撃では効果が薄いと判断したのだろう。
次にゆかりが選んだのは、物理攻撃ではなくペルソナを使った魔法攻撃。
牛の頭蓋骨に乗った、鎖で縛られた女。ゆかりのペルソナのイオだ。
そのイオから放たれた風の刃は、狂愛のクビドの身体を斬り裂いていくも……致命傷とはならない。
皮を裂く事は出来ても、肉や骨には傷を与えられないといったところか。
イオの能力を考えれば、魔法の威力も落ちているな。
先程のラクカジャは物理防御だけではなく魔法防御も上げるのは確定、と。
「くっ! なら、イオ!」
弓も魔法も効き目の薄い狂愛のクビドを相手に、ゆかりが取った手段は単純なものだった。
それは、突撃。
そう、狂愛のクビドとイオでは、その大きさはかなり違う。
いや、イオの本体――鎖で縛られた女――だけなら、そこまでクビドと差はないのだが、そこに巨大な牛の頭蓋骨があるとなると、質量差は圧倒的なものとなる。
そして狂愛のクビドは基本的に空を飛んでいるシャドウである以上、真っ直ぐ正面から突っ込んでくるイオに抗う術はない。
いや、空を飛んでるんだから回避しようと思えば出来たのかもしれないが、少なくてもこうして見ている限り向こうは攻撃を回避するようなことはなく……次の
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