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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0181話『朝雲と山雲の演習に関しての心配』
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それならいいわ。ハルーナにも心配はかけないように」
「はい……」

それでリシュリューも納得してくれた。
これでつい最近入った三人からは賛成を得られたんだけど残りの二人は少し説得に骨を折りそうだな。
そう、朝雲に山雲だ。
この二人は他のみんなと同じく長い間私の艦隊で過ごしてきたから結構な言葉を浴びせられそうだし。
それで朝雲の方へと向いてみると少し涙目になっていた。

「むー……」
「あ、あの……朝雲?」

朝雲はただ私の事をじいーっと睨みつけてきていた。

「朝雲姉ぇ〜、落ち着いてぇ?」
「……落ち着いているわよ山雲。ただね、司令にいくつか言いたいだけよ。だから司令、目を逸らさないで聞いてよね……?」
「わかった」
「司令さん。山雲も〜、言いたいことはあるから逃げないでねぇ〜?」

山雲もそのふんわりとした物言いなのにどこか目つきが怖い感じなんだよな。
これは覚悟を決めないとな。

「司令……朝雲たちはいつも司令に命じられれば戦ってきたわ。それはこれからも変わらないと思うわ。だけどね、司令自身が出撃して傷を負うたびに私達はどれだけ気持ちがざわつくかわかってる!?」
「………」

私は無言で頷いた。今はただ朝雲の物言いを黙って聞く時だからだ。

「分かっているなら……なんで司令自身が表に出ようとするのよ! 戦いは私達がするから司令は安全な場所で見ていて指示してよ! 朝雲達じゃ信用できないとでもいうの!?」
「そんなことは無いよ」
「だったら……!」
「それでも私だってみんなと一緒に戦いたいんだ」
「ッ!」

それで朝雲は少し悔しそうに表情を歪める。

「……ずるいじゃない司令。それじゃ朝雲ももう司令に何も言えないわよ……」
「ごめんな、これは私の我儘なんだ」
「……うん。それじゃもう私からはもうないわ。司令の好きにして。だけど絶対に死なないでよ?」
「わかった」
「それじゃ山雲、後はお願いね」
「はーい、朝雲姉ぇ〜」

朝雲とバトンタッチをして交代をして私の前に立った山雲。
この子からは何を言われるのか少し不安だった。

「司令さん? 山雲が何を言いたいかくらいは、わかるわよね〜?」
「それは……もう他の四人から聞いたから分かっているよ」
「そうじゃないわ〜」

ん……?
違うのか?
それじゃ一体……。

「朝雲姉ぇを悲しませたんだから山雲はとても怒っているんだから〜」
「そこか……」
「そうよ〜。山雲はいつだって朝雲姉ぇ第一なんだから〜。司令さんはその次よ〜。だからね〜…………また朝雲姉ぇを悲しませたら〜……酸素魚雷を叩き込むんだから〜♪」

ニッコリ笑顔でとても怖い事を言いだす山雲。
叢雲以上の威圧感を感じるんだけど……?
これは本気の目
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