76鎧武者惨殺中
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が、全員が支払いすぎた対価がそれを許してくれない。
世間からも、自分たちを苦しめ続けた人間からも、今までの苦痛の対価を支払わせなければならない。
この化物を作った奴らも、自分と同じで対価を支払いすぎ、人間を呪う生き物にされ、その仕返しに命を辱めて汚し尽くした連中なのだと思えた。
そして、天使の人形が進めている天孫降臨を行えば、世界は逆転して死者が生者に、生者が死者に反転し、黄泉の世界の生き物が大手を振って歩ける世界になる。
世界も共に死に行き、太陽系全体も縮む世界、破れる世界として終わる。
委員長方式で世界を救って、世界の終わりも防ぎ、正しく明るく正常で清浄な世界へと組み替えるのは許されない。
自分が滅びの巫女になった意味も理解した舞だった。
舞は鬼武者のまま境内を降り、階段下の有象無象のヤンキーを割って歩き、美汐本体とお婆さんがいる特車2課?に迫った。
周囲に術者も歩兵もいたが、対戦車ライフルやロケットランチャーですら通じない舞の鬼武者。
倉田の鬼武者にはリアクテイブアーマーは着いていなかったが、最初から必要がない。
『この魔物の体は、こうやって使うのよっ』
魔物として鬼武者の体本来の使用法も知り、妖狐と同じ呪いのATフィールドを張る。
妖狐に弓を引き、引き金を引いたものは報いを受けて自爆した。銃が暴発して指を吹き飛ばされ、破片が目に刺さって失明、RPGが天文学的な確率で自爆して爆風で爆死した。
『はははっ、あははははははははっ! これが妖狐の力、鬼の力っ!』
鎧袖一触、衆寡敵せず。ただ動かせた美汐と違い、魔物として10年生活して自分のほんとうの肉体と命のやり取りをして、鬼武者の構造や呪い、その繋ぎ合わされた惨めな命の全てを理解している術者で、フレッシュゴーレムを動かす熟練者とは、肉体の支配構造が違いすぎた。
『忌み子めっ、孫は渡さんぞっ! 真琴様に手出しすると、お前もただでは済まぬっ!』
妖狐から無限の妖力と力を託されたお婆さんだったが、既に2世代60年が経過して、数々の危機によって力も使い切っていた。ゴミ以下の普通人である。
孫を消えない妖狐に嫁がせて今生での務めを終え、愛しい妖狐の元に嫁ぎ直すだけとなっていたので、孫と妖狐の少女の肉体を守るのが最後の務めだと思えた。
『エヘッ、大丈夫よ美汐のお婆ちゃん。今日は皆んなの結婚式なんだから、美汐も真琴もお婆ちゃんも来て? 倉田神社だからって遠慮しないで、祐一も佐祐理もそんなの気にしないから、あははっ』
明るく陽気に言った舞だが、その心の声からは醜く穢れた声で、『ここで天孫降臨の儀式を起こす。私達全員を生贄にして、死者の世界を作り出す。この世の生物を鏖にする』と言っていた。
『あああ〜〜、秋子様〜〜っ!』
自分の命を対価として捧
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