76鎧武者惨殺中
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きようなどと思うな、苦しいだけだ』
敵から鹵獲した使い魔を兵器に改造したのか、死を迎えた術者が解体されて繋ぎ合わされ、この状態の生がどれだけ苦しいのか語る言葉も持たないまま、無理に生かされて来た化物。
同じ立場の蠱毒の壺にいる勝者で怪物は、同類の命を切り取って救ってやった。
『剣の心得がなければ、刃を持っても赤子と同じ』
神官ザガートが勝利したので、エメロード姫が泣いて「よくも私の愛する人をっ!」とか叫んで魔神と合体せずに済んだ。
もし生身で殺し合いをしても同じ結果になった対戦。
美汐とマコピー本体は憑依物が斬り殺されたので卒倒している程度だが、力の差は思い知らされた。多分生身での命の取り合いは今後とも無い。
『よくもここまで酷い兵器を作り上げたな、人間共』
秋子と同じく、魔物の舞も人間の愚かさと惨たらしさを感じて反吐を吐きそうになった。
昼の間に退治した魔物、使い魔を始末せず、牛島師範みたいに筋肉が復活して暴れないように、大きめのオヤシロサマにブチ込んでおき、手足と胴体はそのまま頭を切り開き脳を取り出し、死にそうな術者の頭と入れ替える。
残りの部位も埋め込み切り離した手足を呼び合わせる術で接続。動物や罪人の命でも食わせて生かし、瀕死から起き上がれるよになるまで育て、後はエサを与えていれば良いし、放って置いても分体を出して穢れた命を探して食うので、獰猛さを抑えて鹵獲兵器として利用する。
生命への冒涜と呪い、長寿や健康を呪う声が聞こえてくるような悪鬼羅刹で悪魔の兵器。
ここまで酷い生物でキメラ、魔物や人間を妖力で繋ぎ合わせたフレッシュゴーレムは見たことがなかったが、憑依搭乗した時点で自分たちも似たような存在なのだと気付いた。
もう自分達も死んでいるはずなのだが、コードを書き換えられ、死体表示のままでも現世で活動している。
ポニョにあの世の食い物を食わされて引導を渡された赤ちゃんが、ボートの両親も(故人)「これで安心して逝けます」と言ったように、敵に引導を渡されて死ぬまで他人の命を喰らい続け、あの世にも行けず、例え死んでも浄化されず浄土に行けるのかも不明。
接ぎ木で寄せ集めの汚い命のローソクで命の炎が燃えている鎧武者と鬼武者。製造方法は多少違っても、舞たちも大体同じ存在だった。
あゆを復活させる過程で、穢れた生き物としてでも生き返らせる実験体として使われ、ある意味完成形だが人格も崩壊して闇落ちして、人を人とも思わない悪鬼羅刹に変貌する。
あゆにはこの方法を使わない、生贄で実験体で使い捨て可能な失敗作、それが自分たちなのだと気付いた。
『ははっ、あははははははっ!』
自分が憑依している鬼武者も急所を切って死なせてやり、自分や佐祐理、栞や香里の命も終わらせて、安らかに眠らせてやりたいとも思った
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