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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百十九話 意外な共謀者
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っていた。生まれてこの方、父であるフリードリヒ4世を尊敬した事など一度としてなかった、幼少から見続けた父は何時も酒と女に溺れ、だらしない格好で居たのであるから。

自分に中にもあの血が流れているかと思うと虫酸が走った10代後半、だからこそ、妻を1人として自分は不逞な行動を取らずに来たのだ。父が次々と女を変え子を作る姿に、汚いモノを見るような感覚に陥っていったのだ。

私を含めて父の子は全部で27人もいる。しかし、皇后たる母上のお産みになって下さった子は、私、アマーリエ、クリスティーネと21で死んでしまった、可哀想なフランツィスカと3歳と1歳で夭折したヴィルヘルミーネ、マクシミリアンを除けば、皆犬っころ同然の輩だった。

そいつ等は流産死6人、死産7人、夭折7人、そして今頃死んでいるあの娘だけだ。クロプシュトックに会い、私はその殆どを仕切ってきた、最初の頃は恐ろしさもあったが、次第に慣れてきた。クロプシュトックの手配する者達は次々に処分を成功させたのだから。

実際に私が仕掛けた人数は、流産死4人、死産6人、夭折7人になる、いやもう8人目が出来ているな。あの様な者達が生きていれば、何れ帝国に災いをもたらすだけだ、外戚による政治の壟断が起こりかねない。

その点我が母上は子爵家の出で有るため、政治に親族が口を出す事もなく、理想的にな皇后一族といえたのだ。からこそ、我が妻、イングリットは野心のない子爵家の出なのだからな。私は妻一筋で生きてきたのだ。

それなのに、父は母の生前から、多くの女をはべらかし、外戚を作る可能性を作りまくった。このまま行けば、私の帝位継承も反古になるかも知れないと考え、処分したのだ。あの娘《テレーゼ》の時には失敗したが、今日既にヴァルハラへ旅立ったであろう。

今日の事は、クロプシュトックが忍び来ませた、グレーザーにより、あの毒婦《アンネローゼ》が妊娠の兆候有りと連絡が来たのだ。何時ものように死産を狙うはずが、父が異様に執着している毒婦の事だ、直ぐさま殿医を女性に返るはずだとの事で、忙しいが決めた事だ。

更にブラウンシュバイク、リッテンハイムを落とし入れて、エリザベートとサビーネに家を継がせ、皇室の藩屏としての、ブラウンシュバイク公爵、リッテンハイム侯爵とする事も、今回の義挙の目的の一つなのだ。その為の餌としてあの犬《テレーゼ》は生け贄に丁度良い訳だ。

曲がりなりにも、ルドルフ大帝以来の高貴なるゴールデンバウム帝家の血が半分は流れているのであるから、贄としてはこの上ない物になろうというモノだ。大神オーディンも嘸や御喜びであろう。

大神オーディンよ御照覧あれ、我が義挙に力を与えたまえ。






帝国暦483年8月5日 午前10時

■オーディン ノイエ・サンスーシ 謁見の間

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