ペルソナ3
1840話
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要がある。
そんな俺の視線を向けられた桐条は、顔に驚きの表情を作ったまま……やがて頭を下げる。
「すまない。説明するのが遅れた。基本的にこの寮は私と明彦のように、シャドウと戦う者が住んでいる。そして、寮も相応の作りとなっているんだ」
「……このカメラもその1つだと?」
「そうだ。……この件について知らせなかったは、悪かった。私もすっかりそれに慣れていたんだ」
「それは、つまり桐条の部屋にもこの手のカメラが仕込まれていると?」
そう尋ねると、桐条が頷く。
そして、俺の背後にいるメイド達、特に菊乃がかなり驚いている気配が伝わってきた。
どうやら菊乃を含めてその事を知らされていなかったらしい。
「お嬢様!?」
そして次に声が上がったのは、当然のように俺ではなく、菊乃の口からだ。
まぁ、その気持ちは分からないでもない。
俺の目から見ても桐条は美人と呼ぶに相応しい。
その桐条が自分の部屋にもカメラの類が設置されているのを受け入れるとは、到底思えなかったのだろう。
ましてや幾月だって男だ。
そうであれば、つい出来心で桐条の部屋を覗くような真似をしないとも限らない。
そして部屋であれば、当然のように着替えといった行為も行われている筈だ。
それを男に見られる可能性があるのに、何故ここまで落ち着いていられるのかと。
菊乃が悲鳴のような声を上げてもおかしくはない。
「心配するな、菊乃。理事長には用事がない時は他人の部屋の様子を見ないようにときちんと言ってある」
「ですが、お嬢様。幾月様も男性の方である以上……」
そう告げるが、桐条の幾月に対する信頼はかなり強いらしく、問題はないと言うだけだった。
……危険だな。男に対する免疫とかその情欲とかもそうだが、何より幾月をかなり深い場所まで信頼しているその様子を見て、俺はそう思わざるをえなかった。
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