第四十話 結婚前
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ら?」
「ううっ、ちいねえさま!」
ルイズは泣きながらカトレアの胸に飛び込んだ。
「ルイズ……」
「ちいねえさま! 行かないで! 結婚しないで! 一人にしないで!」
ルイズは一気にまくし立てた。
「わたしがお嫁に行ってもお母様やお父様、エレオノール姉様もいらっしゃるわ。決して一人じゃないわ」
「嘘よ! 嘘嘘! きっと嘘! みんな私のこと嫌いなのよ! 魔法も失敗ばかりで痩せっぽちな私なんて! みんな影で馬鹿にして! 魔法が出来ない落ちこぼれって思ってるのよ! うわぁぁぁぁ〜〜ん!!」
ルイズは、カトレアの胸の中で一気にまくし立て遂に大声で泣き出した。
カトレアは迷った。マクシミリアンからの手紙ではルイズが伝説の虚無の系統かも知れないと書かれていたが、事が事だけに誰にも相談できずにいた。
ルイズに虚無の可能性があることを伝えるべきか。
マクシミリアンは、知らせずにフォローしてくれと言ったがそれに従うか否か。
「聞いてルイズ。ルイズはまだ自分の本当の系統に目覚めていないだけなの。ルイズが大きくなれば、わたしよりも凄いメイジに成れるわ。」
カトレアはキュッとルイズを抱きしめた。
「ちいねえさまより、凄いメイジに? 私が?」
「そうよ、だからお願い絶望しないで」
「……ちいねえさま」
ルイズはカトレア胸により強く顔を押し付けた。
カトレアの甘い香りを肺一杯に吸い、ルイズに少しだけゆとりが出来き、いつの間にか涙は止まっていた。
「……ちいねえさま。わたしの我侭聞いて下さい」
「なぁに?」
「わたし、一杯一杯、勉強して手紙を書きます。ですから、ちいねえさまもお返事ください」
「もちろんよルイズ、約束よ。さ、お母様の所へ行きましょう、一緒に叱られてあげるわ」
「……はい。ちいねえさま、さっきはごめんなさい」
「気にしてないわ」
「幸せになって下さい、ちいねえさま」
「ありがとう、ルイズ」
「きっと手紙書きます。勉強もします!」
「応援してるわ。でも無理はしないでね」
カトレアは妖精すら見とれる笑顔でルイズに頬ずりした。
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