第四十話 結婚前
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教育』したものの、身内に甘いマクシミリアンは結局アンリエッタに『エア・ジェット』の魔法で遊んでやる事にした。
遊ぶと言ってもアンリエッタを肩車してホバー走行するだけなのだが。
2人して新宮殿を出て練兵場向かう途中、軍服姿のアニエスに出くわした。
「あ! アニエスだ! おーいアニエスぅ〜!」
アンリエッタがアニエスを呼び止めた。
「これは、アンリエッタ姫殿下、それに王太子殿下も……」
アニエスは敵討ちを遂げた後、コマンド隊に残り訓練の傍ら、礼儀作法など色々叩き込まれていた。
「アニエスも訓練ご苦労様」
「また、アニエスと一緒にお勉強できるの? お兄様?」
「それは、ちょっと難しいな」
「えー」
王族と平民、その辺のケジメを曖昧にしてしまい、内乱を発生させてしまった事から、マクシミリアンは大いに反省し勉強会は中止ということになった。
「悪いねアニエス。色々としがらみって物があってね」
「気になさらないで下さい。私は気にしていません」
「そう言ってもらえると助かるよ」
「アンリエッタ姫殿下も、私のことなど忘れて勉強をがんばって下さい」
「つまんないわ。せっかくアニエスとお友達になれたのに、お兄様何とかならないの?」
「さっきも言ったように、しがらみとか色々あるんだよ。先の内乱で僕たちが勝っても、貴族と平民の確執が一掃された訳ではないんだ、人間、そう簡単に変わらないって事で、王族、貴族と平民が一つ屋根の下で勉強するようになるのは、もう少し時間が掛かると思う」
「お兄様の話は難しすぎるわ」
「ごめんなアニエス。いくらミラン家の養女でも、アニエスだけを特別扱いする訳にはいかないんだ」
「気になさらないで下さい。今の生活はとても充実しています。今のままで十分です」
その後、アニエスは『訓練がありますので』と、一礼して去っていった。
アニエスの背中を二人で眺めながら、アンリエッタがマクシミリアンを責める様に言い出した。
「お兄様の意気地無し。どうせならアニエスも一緒にお嫁にもらっちゃえば良かったのよ」
「人を物みたいに言うな。それにアニエスにも選ぶ権利もあるだろう」
「最近読んだ本だと、こういうの『忍ぶ恋』って言うのかしら」
「何を言ってるんだ?」
7歳になったアンリエッタは、様々な本を読んできた結果、少々マセてきた。
「まぁいいか。行くぞアンリエッタ」
「はーい」
マクシミリアンとアンリエッタは手をつないで練兵場へと向かった。
☆ ☆ ☆
所変わって、ここは
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