第四十六話 VS AIMバースト
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「御坂さん!」
俺は御坂さんの近くに駆け寄って声を掛けた。今現在、御坂さんがAIMバーストと戦っているというわけでは無いので話しかけても大丈夫である。
「あ、神代さん。初春さんは?」
「アンチスキルの人と一緒にレベルアッパー解除プログラムを流すために移動してる」
俺の方に振り返った御坂さんが聞いてくるので簡単に説明した。
「そう。それならアレはどうするの?」
「放っておいても害が無いなら良かったんだけど……向こうにある施設って何か知ってる?」
アニメの時とは何故かスタンスの違う御坂さんが聞いてくるので、「戦いたいんじゃ無いの?」という言葉を飲み込みつつ、御坂さんに前提知識があるのかどうかを確認する。
「いや、知らないけど……」
一度御坂さんはこの近辺に来ているはずなのだが、やはり覚えて無かったようだ。
「あれ、原子力研究施設なんだってさ」
「なっ! まずいじゃないのそれ」
俺が前提知識を教えると御坂さんは急に慌て始める。まあ、本当は俺も急いだ方が良かったのだが、前提知識だけはちゃんと教えておかないと後で大変なことになる可能性があるのだ。
「そうなんだよ……ねっ!」
「ちょっ!」
御坂さんへ答えるついでに、俺はこれで少しでも足止めが出来るのでは無いかと考えてAIMバーストを攻撃してみる。一応、俺はレベルアッパーを使って木山先生と同等のマルチスキルになっているという設定なので、使ったのはRPG系のゲームや小説などで標準装備されているファイアーボールだ。ただ、普通に投げても届かない距離に居るので、掌に浮かべたファイアーボールの前にAIMバーストへ向けた筒状の結界を張り、中を真空にした後でファイアーボールのある入り口側を解放してやると、凄い勢いで中に吸い込まれていき、出口側の結界を中から外への一方通行――学園都市第一位の一方通行のことではない――に設定しておけばファイアーボールの高速射出装置になるわけである。
「おわっと!」
「何やってんのよ! アンタはっ!」
AIMバーストは一時的に止まったようだが、即座に無数の反撃が来て俺は慌てて回避する。御坂さんの方にはあまり攻撃が行かなかったらしく、余裕で躱しつつ俺に悪態をついていた。
「いやー、向こうに行かせないためには攻撃するのが一番じゃん」
「そうかもしれないけど……」
思わず黄泉川さんっぽい言葉遣いになりつつ言い訳をしてみると、御坂さんが呆れたように返してくる。確か銀行強盗事件の時に黄泉川さんから相当絞られていた御坂さんは、この言葉遣いに嫌悪感というか苦手意識みたいな物があるらしい。
「やっぱりすぐ向こうに向かうみたいだね」
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