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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十一話 家族を選ぶこと
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、俺ならきっとそう抱いて、フェイトもそう抱いていたはずなんだ。
「たとえアリシアの記憶だったとしても、本当の家族じゃなかったとしても、アンタが笑顔が大好きだからじゃないか? その笑顔に憧れて、たとえ
長女
(
アリシア
)
でなかったとしても、その笑顔を一番側で見ていたいって思ったんじゃないかって、俺は思う」
そう。
親の笑顔に憧れて、その笑顔の側にいたい。
俺たち子どもが求めるものなんて、たったそれだけなんだ。
そして、そんなもののために死力を尽くすんだ。
その笑顔がこちらを向いてくれるだけで頑張れる。
その笑顔が続いてくれるなら、いくらでも強くなれる。
そう思って憧れて、マネをするようになって、親と子は似ていくんだ。
あの笑顔を振りまける人になりたいと思うから。
――――子どもが最初に憧れるのは親だと、誰かが言っていた。
親を失った俺には実感がないけれど、フェイトを見ていたらその意味がわかる気がした。
だから、そんなフェイトは強くなっていった。
親のもとから自分の意思で離れようと思える程に。
「プレシア・テスタロッサ」
「なに?」
俺は決別したフェイトを支えるために、プレシアと向き合う。
「俺は小伊坂 黒鐘と言います。 親はすでに亡くなり、義母に育ててもらってる身です。 まだ未熟で、誰かに叱ってもらわないと命だって捨ててしまうような不誠実な男です。 それでも、フェイトの笑顔を守るために生きて、強くなるつもりです。 フェイトはたくさんの友達に支えられて、これからも強くなります。 だから、俺にあの子のこと、任せてもらえますか?」
姿勢を正し、深々と頭を下げ、プレシアの言葉を待つ。
俺がプレシアのもとに向かったのは、この事件の全貌を知るため。
そして何より、これからフェイトを支える許可をもらうためだ。
それが、なんともまぁ遠回りで命懸けな道のりになってしまったと思う。
「……そう、ね」
小さな、吐息に混じったような声が、プレシアから発せられた。
だけど俺が頭を上げるのは、プレシアが返答をするときだ。
それまでは待つ。
「小伊坂、黒鐘……だったかしら?」
「はい」
「あなたはフェイトのこと、好きかしら?」
「はい」
「フェイトのこと、守ってあげられる?」
「全力を尽くします」
「……そう」
短い返事を残し、プレシアは何かを操作しだした。
俺の視線は床しか写っていないので何をしているのか分からないが、操作音が消えると人の声が聞こえたので、恐らくどこかの映像を見ているのだろう。
少し耳を凝らすと、聞こえてきたのはフェイトの声
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