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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十一話 家族を選ぶこと
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場で深々と頭を下げて、私は母さんに背を向けた。
そして一歩一歩、ゆっくりと歩き出し、母さんから離れていく。
私が言いたいことも、母さんが言いたいことも、きっとこれで充分なはずだ。
私はいつまでも、母さんに縋っているわけにはいかない。
ちゃんと私の意志で、私の選んだ道で生きていきたいから。
そしてその相手が、母さんはアリシアで、私は黒鐘なんだ。
「……ぐすっ」
しばらく歩いて、気づくと泣いていた。
ちゃんと決断したはずなのに、こうして私は泣いてしまう。
私はまだ、弱い。
どれだけ覚悟を決めても揺らいでしまうくらいに。
溢れた涙を、一人じゃ止められないくらいに。
だけど、今は大丈夫。
私が歩いた先には、みんなが待ってくれるから。
しばらく歩いて、玉座の間に戻った私を、アルフと、あの子達が待っててくれた。
「フェイト!」
アルフは嬉しそうな笑顔でこっちに駆け寄って、抱きしめてきた。
照れくさいけど、私も抱きしめ返す。
私がどれだけ辛い思いをしても、アルフがいてくれた。
そしてこれからは、他のみんながいてくれる。
そう思いながら、私は生きていこう。
「フェイト、黒鐘は?」
逢沢 雪鳴の質問に、私は少し恥ずかしくなりながらも、
「多分、母さんとお話してる」
「大丈夫なの?」
「うん。 少し話すだけだって言ってたし、渡すものも渡したから」
そう。
私は私のやることを終わらせた。
あとは黒鐘だけだ。
黒鐘は私を支えるためだけに母さんの前に行ったわけじゃない。
母さんと話したいことがあるんだって言ってた。
だから私は待つことにした。
彼の帰りを。
そして帰ってきたら、ちゃんと伝えよう。
フェイトとして選んだ、私の生き方を――――。
*****
「行ったわね」
「そうだな」
フェイトの足音が聞こえなくなって、俺たちはようやく口を開いた。
なぜかフェイトが歩いている間、何も言えなかった。
彼女が歩いていく姿をただ見つめ、その音を聞いていたかったのかもしれない。
自分の意志で歩きだした、その瞬間を。
それが終わり、俺は再びプレシアと向き合った。
フェイトはフェイトで話終わったようだけど、俺はまだ終わってない。
むしろこうして話してみて、尚の事言いたいことが増えた。
だけど、たくさん生まれた言葉を紡ぐ時間は本当に残されていないだろう。
もうすでに管理局の人がこちらに迫っていて、突入されればすぐにここに来るだろうから。
だか
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