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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十一話 家族を選ぶこと
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に、どれだけ大きくてたくさんのものを背負っているんだろう。

 私は彼に、背負わせてばかりだ。

 彼はずっと向き合ってくれて、ぶつかってくれた。

 私はずっと目を背けて、逃げ続けていた。

「誰も、誰かの代わりになんてなれない。 だって俺たちは俺たちであって、それ以上でもそれ以下でもないから。 なら、フェイトだってアリシアの代わりでも、失敗作でもないはずだ。 フェイトはフェイトとして生まれて、フェイトとして生きることしかできないんだから」

「私は……私として」

 黒鐘の言葉が、私の心に突き刺さる。

 それは痛みとは違って、私の中にある黒いモヤみたいなものを貫いていく。

 私にとって私とは、なんだろう。

 アリシアの代わりとして生きていた今までを失った私は、何になるんだろう。

「……あぁ、そうだ」

 自問自答して、ようやくわかった気がする。

 私は、何も始まってなんかいなかったんだ。

 誰かの物語を引き継いでいただけ。

 私のこれからはきっと、ここからで、これからなんだ。

「黒鐘」

「なんだ?」

 こちらに背を向けたままの黒鐘に、私は伝える。

「私のこと、ずっと……見ててくれるかな?」

「もちろん」

 即答してくれた。

 だけど、私の問いはまだ続く。

「私のこと、アリシアの代わりでも、母さんの人形でもない、私として見てくれるかな?」

「もちろん」

「うん……ありがとう、黒鐘」

 充分だ。

 私はもう、充分に救われた。

 だって私には、黒鐘がいて、アルフが、いて、あの子達がいる。

 私を、フェイトとして向き合ってくれて、接してくれた人達がいる。

 だからちゃんと始めよう。

 アリシアの代わりでも、母さんの人形でもない、私のお話。

「私達の全ては、まだ始まってもいない」

 私は黒鐘の右隣に立って、もう一度、母さんと向き合う。

「母さん。 私は、フェイト・テスタロッサです。 アリシアの代わりじゃない、フェイトです。 そして私は、黒鐘の側にいたいです」

 黒鐘は右手で、私の頭を撫でてくれた。

 強い敵を倒してきたその手は、とても優しく私の頭に触れていて、それが凄く嬉しかった。

 そんな彼と、これからもずっと一緒にいたい。

 失敗作だったとしても、フェイトとして。

 だから、

「だから母さん」

 私は黒鐘の方を見ると、私が何を言いたいのか察してくれた彼は刀を母さんに向けた。

 すると刀は青緑の光を放ちながら、12個のジュエルシードを出現させる。

 私はそれを、母さんに渡した。

「今まで、お世話になりました」

 その
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