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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十一話 家族を選ぶこと
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「――――私はあなたのことが、大嫌いだったのよ」
その一言と共に、雷光は俺たちの眼前まで迫って爆発した。
*****
母さんは、私のことなんか一度も見てくれなかった。
母さんは、最後まで私に微笑んではくれなかった。
母さんが会いたかったのはアリシアで、私はただの失敗作。
分かっていた。
もしかしたら私は、母さんにとって不必要な存在なんじゃないかって思っていたから。
だからこうなることも、『もしかしたら』と思うくらいには予想していた。
だけど、実際に現実になって、やっぱり辛かった。
どれだけ覚悟しても、やっぱり私は母さんに認めてもらいたかったから。
どんなに酷いことをされても、どんなに否定されても。
それでも、笑って欲しかった。
そのためなら、どれだけ傷ついても戦えた。
自分のことを捨ててでも頑張ろうと思えた。
そうして、たくさんの人を傷つけてきた。
黒鐘は、そんな私に何度も手を差し出してくれた。
裏切って、傷つけて、逃げた私を、それでも追いかけてくれた。
そして、ボロボロになって、全てを尽くして戦ってくれた。
私なんかのために。
私のような、作られただけの人形に。
それが嬉しかったから、頑張ってみようと思えた。
母さんと、ちゃんと正面から向き合ってみようと思った。
そしてこうして、向き合ってみた。
……だけど、なにも変わらなかった。
何かを変えられるかもしれない……なんて、ちっぽけな希望を抱いて向き合ってみても、私にはなにも変えられなかった。
母さんを笑顔にすることすらできなかった私は、やっぱり失敗作なんだろう。
母さんを笑顔にすることのできない私は、生きる意味なんてないって思ってきた。
なら、今の私は――――
「逃げるな」
私の正面に、真っ黒な人影が立つ。
すると眼前に迫る閃光は真っ二つに割れ、私と彼の左右に分かれて通り過ぎ、後ろで爆発して風圧だけ私達に届く。
私の正面に立つ少年は、力強くその場に立ち、右手でしっかりと刀を握っていた。
その姿は私とは正反対だと思った。
小指突かれただけで倒れそうな私は、デバイスを武器にして握ることもできない。
戦うことも、向き合うこともできない。
「捨てればいいってわけじゃない。 目を背ければいいってわけじゃない。 逃げればいいってわけじゃ、もっとない」
「黒、鐘……」
それはこちらを向いてないけど、私に向かって言ってるようにも聞こえて、私は彼の背中をただ真っ直ぐに見つめた。
彼はその背中
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