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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十一話 家族を選ぶこと
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なのかは理解した。
それが自分の愛娘で、恐らく何かしらの事件・事故で命を落としたことも。
つまり、
「記憶転写型のクローン技術の研究と、死者蘇生の技術・禁術の研究。 これがアンタがしたことだな」
「そうよ。 その通り」
感情のない笑みが俺に向けられる。
反対に俺の中で湧き溢れる熱を持った怒りが声に宿っていく。
「フェイトがアリシアって子にならなかったから、フェイトを利用してジュエルシードを集めたっていうのか?」
「失敗作なら、せめて有効に使わないとね。 だからフェイトの記憶からアリシアと言う名前を削除して、使い魔を世話役につけて鍛え上げさせた」
――――フェイトは幼い頃、リニスと言う山猫が元の使い魔から魔法の教育を受けていた。
研究で面倒を見てくれないプレシアの代わりの世話係で、常にフェイトの、そしてアルフの側にいてくれた家族だったらしいけど、ある日姿を消した。
それが使い魔としての契約終了に伴う生命の終了と知ったのはそれからしばらくしてからだった……と、俺はフェイトから聞いた。
そしてプレシアの通りなら、恐らくイル・スフォルトゥーナもまた作られた命なのだろう。
魔法適正を限界まで上げる過程で感情、思考パターンに狂いが生じて強い殺意を抱くようになった……というのは俺の見解だけど、恐らくこれで当たってるはずだ。
「出来損ないの失敗作とはいえ、魔法の才能だけなら充分にあったから、それだけなら役に立ったわ」
「…………ろ」
「けど結局、失敗作は失敗作。 作り物の命は所詮作り物。 本物の命の代わりにはならない」
「……め、ろ」
「アリシアはもっと優しく笑ってくれた。 アリシアは時々わがままだったけど、私の言うことをとてもよく聞いてくれた。 アリシアはいつでも私に優しかった」
「……やめろ」
「フェイト。 あなたは私の娘なんかじゃない。 ただの作り物」
「やめろって言ってんだろ!!」
怒りの咆哮に魔力を乗せ、突風を踏み出してプレシアにぶつける。
――――過去に逢沢 柚那が俺に放った、風を纏った咆哮の模倣。
しかしそれをプロテクションで防ぎ、プレシアはフェイトに言い放った。
「だから、あなたはもういらない。 どこへなりと消えなさい」
「っ」
フェイトの目が見開き、全身が痙攣したみたいに小刻みに震える。
俺の右手を通して、フェイトの震えや絶望が伝わってくる。
「最後にいいことを教えてあげるわ」
そう言いながらプレシアは俺たちに向けて再び魔力を溜めた杖を向け、
「あなたを作り出した時からずっとね――――」
俺たちに向け、砲撃レベルの強力な雷光を放つ。
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