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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十一話 家族を選ぶこと
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心にもない賞賛の言葉を無視し、俺はプレシアを睨みつける。
なぜならその賞賛は、俺の予測を正解だと伝えているようなものだから。
ならば俺の心には沸き上がらずにはいられない感情がある。
――――怒りだ。
「なんで、どうしてそんなことができるんだよ……アンタは!!」
怒りを声に乗せ、プレシアにぶつける。
しかし動揺するようすもなく、彼女は開き直った表情で答える。
「目的のためには手段を選ばない。 選ぶ余裕も時間もなかったからそうしただけのことよ」
「そんなの……」
「く、黒鐘!」
俺が怒りで暴走してしまいそうなところを、フェイトは両手で俺の右手を包むことで抑えてくれた。
フェイトの顔を見ると、彼女は不安に染まった表情をこちらに向け、今にも泣き出しそうだった。
「ごめん」
「ううん。 だけど、教えて」
「……」
教えて。
そう言われて、俺は迷ってしまう。
もし本当に俺の予想が当たっているのなら、それをフェイトが知るにはあまりにも辛く、重すぎる。
俺が言うべきか悩んでいると、深いため息を吐きながらプレシアは杖の先に溜めていた魔力を霧散させ、話した。
「フェイト。 あなたは私の娘じゃないわ」
「ぇ……」
フェイトが小さく、か細い声を漏らした。
そこには今までにないほどの衝撃と混乱が感じられる。
だけど、もう耳を塞いでも遅いし、逃げることもできない。
俺たちは覚悟を決めなければいけない。
たとえそれが、どれだけ理不尽な真実だとしても。
「この子を亡くしてから、私は暗鬱な時間を過ごした」
生体カプセルの中にいる少女を愛おしそうに見つめ、二人を遮るガラスを優しく撫でる。
その姿は、その仕草は、まさに母親が愛娘に接する姿に見えた。
「この子の身代わりで作った人形を、娘のように接するのも」
そこで言葉は途切れ、プレシアは再び俺たちへ……フェイトへ視線を向けた。
明確な怒りを瞳に込めて。
「フェイト。 あなたはアリシアの代わりに作った人形。 そしてアリシアの記憶を移して、だけど何一つ同じにはならなかった失敗作よ」
「っ!?」
グシャリ、と。
俺の耳に、何かが握りつぶされた音が聞こえた。
そしてフェイトの何もかもを悟り、絶望した姿を見て知った。
今の音は、壊れた音だと。
――――人の心が、壊れた音だと。
「アリシアを生き返らせるための研究で、うまくいくはずだったのに」
プレシアの表情は怒りから失望、悲しみに変わる。
彼女にとってカプセルの中の少女……アリシアと呼ばれる少女がどれだけ大事
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