乙女たちの宴 〜閉幕〜
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被害は出てないけど。
「何をって色んなところを見てきたよ。優しいところとか、恥ずかしがり屋なところとか!」
「な、なのは……とりあえず落ち着こ。お酒とかもあるんだし、こぼしたら大変だから」
「そうやったらフェイトちゃんがショウくんに対して好意持ってるんは分かるやろ!」
「はやても落ち着こ。あまり騒ぐと近所の人の迷惑になるし。ね?」
「「フェイトちゃんは黙ってて!」」
えー……私のこと話してるのに何でそうなるの?
今話してるのって私がショウのことを好きかどうかってことだよね。それって私が答えればすぐに解決する話だと思うんだけど。
かといって今の私がどうこう言っても止まりそうにないし……いや逃げちゃダメだ。
今ここでふたりを止められるのは私しかいないし、今日は云わば本音をぶつけ合うために用意された席。お酒の力だって借りれる状況だし、ショウのことだけは誰にも譲りたくない。……よし!
「あぁもう、なのはちゃんと話してても埒が明かん。フェイトちゃんとだけ話すからちょっと黙っといて」
「な……それはこっちのセリフだよ。何でもかんでも分かってる感じで勝手に決めつけてさ。そんなだからショウくんから呆れた顔ばかりされるんだよ」
「何でそこでショウくんが出てくるんや。というか、そう見えるんはなのはちゃんが鈍感やから理解出来てないだけやろ。仕事できるんに人のそういうところには疎いからショウくんから仕事中毒とか言われるんや」
「仕事中毒なのはそっちも……!」
「あぁもう、いい加減にして!」
最大限怒気の混じった声を発すると、なのはとはやては動きを止めた。恐る恐るこちらに視線を移してくるふたりをよそに……私は飲みかけだったお酒を一気に飲み干す。
「……さっきから聞いてれば、何で私に関する話をしてるのに私に黙れって言うのかな。それにどんどん本筋から離れてただの悪口の言い合いになっていくし」
「えっと、それは……はやてちゃんが」
「ちょっ、どっちかと言えばなのはちゃんが悪いやろ!」
「どっちが悪いじゃなくてどっちも悪いの! ただ悪口を言いたいだけなら私のいない場所でやって。聞いてて不愉快だから!」
私にここまで言われると予想してなかったのか、なのはとはやては身体を小さくさせながら一度顔を見合わせた後……申し訳なさそうに謝ってきた。
その姿を見ていると少し言い過ぎたような気持ちにもなるけど……ううん、さっきのふたりの言動を考えると仕方がないことだよね。話はまだ続くんだろうし、心を強く持っとかないと。
「それで……何ではやては急にこんな話をしようと思ったの?」
「それはその……私達ってショウくんのこと好きなのに互いに遠慮してるというか、まだ相手は踏み込めてないから大丈夫って考えがあるんやないかなって。そん
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