第34話 =74層攻略=
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じようなことを聞かれた俺を重ねてしまい、なんだか可哀想になってきた。
キリトも完璧に図星らしくしゃべろうかしゃべらまいか悩んでいるのが顔にものすごく出ている。さすがに本格的に追いつめられて可哀想になってきたので助け舟を出そうと口を開く。
「で、どうなのキ「スキル詮索はマナー違反です」…アンタが言うのね…」
「その言い方はなんか傷つくな…でも俺みたいな変なスキル持ってるやつもいるんだし…」
「…リクヤ君が言うなら…」
お、諦めてくれたようだ。サチたちは正直その場のノリらしくアスナが諦めたら動揺に諦めていった。キリトの悩んだ時間を返せって一瞬叫びたくなったが心の中にとどめておこう。
「さて、遅くなっちゃったけどお昼にしましょうか」
「て、手作りですか?」
無言で、アスナはメニューウィンドウを操作して手に付けていた白い手袋をはずし、代わりとばかりに手の中に小さめのバスケットを取り出した。それを見たユカが…
「愛妻弁当?アスナもやるわね」
「お姉ちゃん!?」
まるでニヤリとした笑みを浮かべそんなことを口にする。中から昼ごはんを出そうとしたアスナは急なことに驚き一瞬で顔を紅くしあたふたしていた。ユカとしてはからかいよりもほめ言葉に近いんだろうな。…そのとなりじゃキリトも顔真っ赤だったけど。
「…俺たちも食べるか」
「ですね」
そういい、サチの作ってきたサンドイッチを1口かじる。前にリズの店で食べたあの味がまた口の中に広がり自然に笑みがこぼれてしまう。ちなみに、俺はレシピを教えられたもののまだこの味を完成させてはいない。近いものも出来たけど何かこう…うん、何かが足りないがためにいまは試行錯誤中だ。
昼飯の最中、マヨネーズやら醤油やらの解説をキリトにしているアスナに「気合はいってる」とサチがからかったり、キリトが指を舐めるという変態行為を行うなど楽しい時間がすぎていたが下層方面から聞こえる鎧のガシャガシャという音に全員が身構える。だが入ってきたのはあくどいプレイヤー集団ではなく普通に見知った顔、そしてSAO開始時からのキリトとの共通の親友だった。
「キリトじゃねぇか!それにリクヤたちも」
「まだ生きてたか、クライン」
「おっす、73層以来だな」
「相変わらず暑苦しいわね」
「やっほ、クライン」
「クラインさんお久しぶりです」
キリトとユカのダブルの毒にはさまれたので俺も毒ついときゃよかったかな…と思っているとアスナの姿を確認したのか奇妙なバンダナの下の目をまるくしていた。キリトの紹介も耳に入っていなさそうでまったく反応はない。
しかしキリトが「ラグってんのか」と言う声とともにひじで脇をつつくとスイッチが入ったようにものすごい勢いでお辞儀をする。
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