第四百七十四話
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第四百七十四話 水の魔法というと
華奈子達クラウンの中で一番水の魔法が得意な娘はというと春奈だ、その春奈も華奈子が水の魔法を使うのを見てこう言った。
「別に」
「春奈ちゃんが見てもなの」
「おかしいところもね」
「ないのね」
「普通じゃないかしら」
春奈もこう言うのだった。
「別にね」
「駄目じゃないのね」
「そう思うけれど」
水の魔法が七人で一番得意な春奈も言うのだった。
「本当にね」
「結局あたしだけが苦手意識があって」
「困っているだけじゃないかしら」
「ううん、自分の中でなのね」
「美奈子ちゃんもそう言ってるのよね」
「他の皆もね」
赤音、梨花、美樹、亜美もというのだ。
「そう言ってるわ」
「だったらね」
「やっぱりあたしだけが思ってて」
「気持ちの問題じゃないかしら」
春奈も他の娘達と同じことを話した。
「やっぱりね」
「勝手に意識して勝手に困ってて」
華奈子は難しい顔で述べた。
「結局はそうなの」
「私も最近火の魔法やってみてるけれど」
春奈も自分の得意な魔法とは逆の属性の魔法をしてみているのだ、他には光と闇、錬金術と超能力等もだ。音なら気だ。
「確かに水とは逆だけれど」
「苦手意識はないの」
「逆にすればいいって考えてるから」
水の魔法とはだ、春奈から見ればそうなるのだ。
「だからね」
「特になのね」
「困ってないわ」
華奈子に穏やかな顔で話した。
「この辺りは本当にそれぞれみたいね」
「あたしは逆には出来ないのかしら」
「どうかしら、そこは」
「何か考えれば考える程わからなくなってきた?」
華奈子は自分でこう思った。
「どうにも。こんな時は」
「どうするの?」
「もう寝るわ」
あれこれ考えることなくだ、華奈子はこうした時はそうして一旦何もかもをリセットするのが常であるのだ。
「今日はね。お家に帰って魔法はせずに」
「そうするのね」
「また明日よ」
実際にこう言って止めた、そしてまた明日とするのだった。
第四百七十四話 完
2017・8・20
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