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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十九話 ブラウンシュヴァイク公爵討伐に向かいます。
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が、中には判断つけがたいものもあって、そういう物に関しての最終的な判断はすべて彼女に行く。それを捌くだけでも大変なのに、今後の大小の戦略方針も決定しなくてはならない。連日タンクベッド睡眠でしのぎながら昼夜を問わず激務に追われていた。
それでもまだましなのだ。あなたと、そしてキルヒアイス提督がいらっしゃらなかったらどうなっていたかわからないわ、とティアナに話していたことがあった。
だからこそ、というわけでもないのだが、束の間の休息を押し付けてでも提供してあげたい、というのが二人の気持ちだったし、艦長もそれに応えたのである。
* * * * *
総司令官、副官2人、艦長といういささか風変わりな組み合わせではあったけれど、司令官の私室で四人は束の間のお茶を楽しんだ。
「これ、サックサクね!」
「えぇ!!自分でも会心の出来だって思うんです!」
「バターの香りがとてもよろしくて、何個でも食べられそうですわ!」
「紅茶にもとっても合いますね!」
などという会話が楽し気に飛び交ったのだった。
「お姉さんの具合はどうなの?」
「命に別状はないですけれど、だいぶ弱気になってます。命を懸けて自分の提督とローエングラム公をお守りしたのに何弱気になってるの、って私は言うんですけれどね。」
彼女の双子の姉であるジル・ニール艦長は総旗艦ヴァルキュリアの艦長を務めている。あのヴァルハラでの凄惨な戦いで、ヴァルキュリアは満身創痍になりながらも彼女の操艦で撃沈を免れた。のちにドッグ入りしたヴァルキュリアは幾重にも傷を負っており、撃沈されなかったのが不思議なレベルだと技術官たちから言われていた。戦場を離脱するまで自分の席を離れなかった艦長は離脱するや否や力尽きて倒れた。彼女は無数の傷を負ってベッドに運ばれていったのである。
「しょうがないので、私の御手製のお菓子を置いて帰りました。いいんですよ、お姉ちゃんはいつもそうなんです。」
「お姉さんの落ち込んだ気分、原因はそれじゃないの?あなたがあまりにもお菓子を持ち込むから――。」
いつになくフィオーナが冗談を言う。ヘルヴォールが建造されてからこの若い女性艦長と一緒にやってきたので、親近感があるのだろうとサビーネは思った。
「ひどい!!!」
その様子があまりにもおかしいとひとしきりみんなは笑いあった。
「ともかくお姉さんがお元気そうで何よりよ。帰ったらお見舞いをしてあげてね。後はホットラインを使って顔だけでも見せてあげるようにすればいいわ。それくらいの時間は取ってあげなくちゃね。」
と、結ぶと彼女は嬉しそうにうなずいた。ともあれ、フィオーナにとっては束の間の休息を楽しむことができ、ブラウンシュヴァイク星系侵攻の重圧をしばし忘れることができたのであった。
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