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第九十九話 ブラウンシュヴァイク公爵討伐に向かいます。
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けにオーベルシュタインはかすかに点頭しただけだった。
「彼らの動向はまだつかめないの?」
ティアナの問いかけにレイン・フェリルはかぶりを振った。
「残念ながら、掴めません。各星系の基地、各要塞、各警備艦隊に警戒を呼び掛けていますが、何一つ彼らの痕跡は発見できません。」
「発見できないのではなく『通報しなかった』のだとしたらどうだ?」
バイエルン候エーバルトの発言が皆の驚きを引き出した。
「考えてもみろ、二万隻の大艦隊が発見できないなど、妙だとは思わんか?仮に警備艦隊が接触して殲滅されたとしても一報はあってしかるべきだろう。」
「でも――。」
「ローエングラム陣営は帝国全土を掌握しているのではない、という事だ。辺境、とくにブラウンシュヴァイク星系周辺にはまだブラウンシュヴァイク公とよしみを通じる者が多い。各星系の基地はともかく、警備艦隊は辺境貴族で構成されるのが常だ。協力こそせぬが、あえて黙認をしている者も多いという事だろう。」
「・・・・・・・・。」
万座はバイエルン候エーバルトの発言を聞き入っていたが、彼の言葉が終わるや否やすぐに一斉に騒ぎ出した。
「各星系の貴族名簿を洗い出せ!」
「ブラウンシュヴァイク公とよしみを通じている者はそこにおらぬか?!」
「警備艦隊のリストも洗い出せよ!!」
「最後に消息を絶った地点とそれらとを結べ!!」
慌ただしい喧騒のさ中――ただ一人オーベルシュタインは冷静だったが――ここに艦隊が潜伏しているのではないかと思われる場所が洗い出され、即攻撃に向かうように話がまとまったが、フィオーナは帝都に報告し指示を仰ぐという理由で、これを厳重に伏せた。何しろまだ身辺にスパイがいるかもしれないからだ。・・・というのは表向きで、彼女はブラウンシュヴァイク陣営側にこの情報が洩れることを期待していたのである。だからこそ、この会議が始まるさらに前にオーベルシュタインとバイエルン候エーバルト、そしてティアナ、キルヒアイスらを交えて極秘裏に会議を行っていたのだった。

 危険な賭けだったが、フィオーナは自らを囮とし、ブラウンシュヴァイク派閥の出撃を誘い、一気に雌雄を決する計画を立てていたのである。それは他ならぬブラウンシュヴァイク公爵の所領の民を巻き添えにしないよう、気遣っての事だった。

「民を助ける?」
ティアナやキルヒアイス以外の皆の反応は推して然るべきものだった。
「ブラウンシュヴァイク公爵の所領にいたというただそれだけで、殺戮の対象になる民は哀れではありませんか。」
フィオーナはそう言ったのだった。哀れという表現をすることそれ自体が冒涜だと彼女は思っているが、この際はこの言葉を使わないと先に進めなかった。それに、一つ間違えれば腹いせに核融合ミサイルで吹っ飛ばされることになるかもしれない。そうなってか
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