第百十八話 闇の襲来
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いながら、テレーゼはウインクをする。
そう言われれば、流石は姐さんである、気持ちを切り替えて話し始める。
「観覧を何故?」
「まあ、シェーンヴァルトに銃を教えたのが家のルッツでね、その成果を見に来たかったんだよね」
「そうだったんですか。けど良くお母様やお父様がお許しになりましたね」
「あー、母様は誤魔化したんだよね。父様はオフレッサーと一緒ならOKだって」
男爵夫人が額に手を添えながら、困った子だと言う顔をした。
「イリヤスファール、余り無茶をしないようにして下さいね」
「判ったわお姉ちゃん。それとイリヤで良いからね」
「判りましたわ、イリヤ」
「ハハハ、男爵夫人もタジタジですな」
バーサーカーもといオフレッサーの言葉に男爵夫人はプイッという顔をした。
そんな父を見ながら、ズザンナが自己紹介をした。
「はじめまして、オフレッサーの娘ズザンナ・フォン・オフレッサーです。よろしくお願いします」
あの戦闘狂が嘘のような、爽やかな笑顔で男爵夫人と子爵夫妻に挨拶を行う、どれだけ猫の毛皮を纏っているのか知れないが。
「マグダレーナ・フォン・ヴェストパーレよ宜しくね」
「アルヴェルト・フォン・シャフハウゼンです」
「ドロテーア・フォン・シャフハウゼンです、よろしくお願いします」
「まあまあ、そろそろ、始まるようだよ」
テレーゼの言葉に皆が決闘場所を見始める。
ラインハルトと黒マントの登場に観客席から歓声が上がる。
テレーゼは黒マントを見た瞬間、何で黒マントが居るんだと考えて居た。
変だという違和感をヒシヒシと感じていた。
お互いの武器の調べを行い、いよいよ決闘が開始される。
キルヒアイスが確りと相手の銃の確認を行い、ラインハルトを安心させていた、それにより信頼感が増したのである。
『両者位置着いて』のかけ声と共にラインハルトと黒マントが背中合わせになりかけ声と共にお互いが反対方向へ歩き始める。固唾を呑む関係者と観客達。
所が10数える前に、8の時点で黒マントが身を戻し、ラインハルトではなく、観客席のテレーゼに対して銃弾を二発放ったのである!
帝国暦483年8月5日 午前10時01分
■オーディン リッテンハイム侯爵荘園競馬場 テレーゼ・フォン・ゴールデンバウム
黒マントが現れたとき嫌な予感がしましたが、まさかこんな事に成るとは、10を待たずに振り返った黒マントが銃口を私にむけて来たのです。鈍く光る銃口の輝きが目に写り、その直後に炎が迸ったのです。
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