第百十八話 闇の襲来
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イェータランド
「確かに、卿の感は当たったな。判った此方としても注意しておこう」
『頼んだぞ』
通信が切れた後ミッターマイヤーがテキパキと指示を出しはじめる。
「ドロイセン、警戒を怠らないようにしろ」
「はっ」
「アムスドルフ、メルカッツ提督に連絡【我、虫の知らせ有り留意成されたし】と」
「宜しいのですか?未確定な事ですが」
「メルカッツ提督ならば、判ってくれるさ」
帝国暦483年8月5日 午前9時40分
■オーディン リッテンハイム侯爵荘園競馬場
ヘルクスハイマー伯爵家とシャフハウゼン子爵家決闘はリッテンハイム侯爵の用意した特設会場で行われようとしていた。今回の決闘の会場と成ったリッテンハイム侯爵所有荘園の競馬場には老若男女の貴族が多数詰めかけ、今や遅しと決闘が始まるのを待ち構えていた。
リッテンハイム侯夫妻はヘルクスハイマー伯爵と共にガラス張りの貴賓席に座り話していた。
「今日は良い場所をお貸し頂きまして」
「なのこれしき。何時でも用立ようほどに」
「所で今日は御令嬢は」
「下賤者の汚れた血が流れる所など見せる訳にはゆかんよ」
「未来の女帝陛下にはですかな」
ヘルクスハイマーの言葉にリッテンハイムは笑い出した。
「ふふふふ、はははははは」
その様な話をしている中、シャフハウゼン子爵家の一行、シャフハウゼン子爵、子爵夫人、ヴェストパーレ男爵夫人は、一般席の一番前の相撲であれば砂被りの位置で観覧させれれている。
「何よ何で向こうは特等席で、此方は一般の観客と同じ席なのよ!
決闘は対等に行われるのがルールでしょう」
男爵夫人がぶーたれている最中、となりに来て声をかけてきた人物が居た。
「全くよね、フェアーじゃ無いったらありゃしないわ」
その言葉に、男爵夫人はハッとする。
「殿下」
「シー、今日は忍びよ」
間違いなくテレーゼ殿下であるが。その姿は普段と違い銀髪ストレートのウイッグを付け、藤色の帽子で藤色の上着に白いスカートを履きその姿を完全に隠して居た。その横に、誰が見ても判る長身でがっちりしたオフレッサー大将が珍しいドレスアップをして座ってきた。更にオフレッサーの娘ズザンナもドレスアップして座ってくる。
「男爵夫人。こちらの方は?」
シャフハウゼン子爵がどなたかと尋ねてくるので男爵夫人は耳打ちする。
「皇女殿下であらされます」
シャフハウゼン子爵夫妻は、その言葉を聞き驚愕の表情をする。
「でで殿下・・」
その言葉を男爵夫人が止める。
「お忍びですから、騒がないよう」
それを聞き子爵夫妻は頷いた。
「しかし。又何故此方へ?」
「お姐様、敬語は不要ですよ。今はイリヤスファール・フォン・アインツベルンですから」
そう言
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